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【マラソン大会に必須のスピード持久力】長距離的なスピードを身につけるには?

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.66万人(2024年6月5日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は、「市民ランナーがスピードをつけるには」がテーマです。

さて、皆さまは「スピードが欲しい?」という問いにはどう答えますでしょうか?

僕は当然「欲しい!」と答えますし、このコラムを見ている方であれば、ほとんどの方が「欲しい!」と答えるでしょう。

今回は、今の時期に注目したい「スピード」。
こいつを手に入れるには「どうすればいいか」を、説明したいと思います。

今の時期、「スピードを上げていく」ことは非常に大切です。

スピードを上げて、5000mのレースなどに参加していくと、マラソン大会のレースペースに、「ゆとり」を持てるようになります。

こういった観点から見ても、「スピードを上げる」ことは、マラソン大会のタイムを上げていく上でも大切ですし、モチベーションの向上に繋がります。

ぜひ一緒に学んでいきましょう!

マラソンランナーにおける「スピード」とは

まず、「スピード」ですが、皆さま、スピードって、どの距離を速く走れたら「スピードがある」と思いますか。

例えば、
・100mや200mが速ければ、「スピードがある」
・400mや800mや1500mが速ければ、「スピードがある」
など、どの距離からが「スピードがある」ことになるのでしょうか。

ところで、5000mや10000mが速ければ、マラソン界では「スピードランナー」と言ったりします。
さてさて、長距離走でいう「スピード」はどこになるでしょうか。

ここからは僕の解釈ですが、長距離走、特にマラソン大会を主戦場にしている方であれば、「100-400mが速い」というのは少し違いますね。
やはり、1500mや5000mぐらいの距離が速い方を、「長距離走でスピードがあるランナー」という見方ができます。

そして種目で言うと1500mは「中距離走」の種目になります。
なので、「どの距離から」の答えは「5000m」になるのかなと思います。

結論、「長距離的にスピードがある」とは、「5000mのタイムが速いランナー」のことだと言えるでしょう。
ですので、「5000m」のタイムの伸ばし方に焦点を絞り、お話ししていきます。

基礎トレーニング①:代謝機能を向上する練習方法

では、この「5000mのタイムを伸ばす」ためにはどうすれば良いのか。

基本的には、代謝構造、つまりエネルギーの生産の方法は、「5000m」も「フルマラソン」も変わりません。
酸素を使ってエネルギーを産み出す「有機的代謝」が基本になります。

そして、酸素を使ってエネルギーを産み出している器官を、「ミトコンドリア」といいます。
このミトコンドリアの機能を改善させていくことで、「酸素を産み出す能力」を上げていきます。

この能力は、呼吸で酸素を吸い込むと向上していきます。
つまり、長時間のランニング、すなわち、「低強度や中強度のロングラン」によって改善していきます。

そう、5000m、つまり長距離的なスピードをつけるために、やはりロングランは非常に効果的なトレーニングとなります。

スピードをつけるためのトレーニングの1つが、低強度走や中強度走、そしてロング走とは驚きですよね。
もちろん、このスピードを強化していくには、ほかにも要素ありますが、その大切な要素の1つとして、ちゃんとロング走が存在している、ということです。

ロング走の効果やトレーニング方法、また、注意点をまとめたコラムを、まだ読んでない方は、是非下記も併せてご覧くださいね。

基礎トレーニング②:筋力を向上する練習方法

ここから次の要素に入ります。
フォームや身体の使い方です。

「スピード」はシンプルに「ピッチ×ストライド」です。
ピッチ(足の回転)があがり、ストライド(歩幅)が伸びていけば、自然とスピードは上がります。

ピッチの上げ方

ピッチを効率よく上げていく方法は、「下半身の回転力」、つまり「股関節の筋力」やその力を持続させる「筋持久力」です。

もう一つ欠かせないのは、上半身の力、つまり「腕振り」ですね。

上半身は、ただリズムをとっているだけではなく、胸椎、つまり身体の中心部や、肩甲骨が連動して腕を振っています。
肩甲骨が動くと、広背筋や脊柱起立筋といった、骨盤にまで繋がっている筋肉も動きます。

つまり、腕振りの動きに筋肉が連動して骨盤まで関与してきます。
さらに、骨盤と連動するということは、股関節まで連動をして動いている、ということです。

フルマラソンの後半、「足が動かなくなってきた時は腕を振るといい」というのは、こういった身体の構造からきているからなのです。

股関節の力や、上半身の筋力を上げ、うまく働かせてあげることによって、ピッチを向上させることができます。

ストライドの伸ばし方

同様に、「ストライドを伸ばすこと」も、大切です。

ストライドは、足を前に広げるのではなく、地面に力を加え、その地面反力によってストライドは広がります。
足を大きく広げる力ではなく、「地面を押す力」が非常に重要です。

こちらもピッチ同様、「股関節の力」が非常に重要。

特に、必要な部位は、臀部やハムストリングといった、地面を押す筋肉、股関節を伸展させる筋肉です。
また、腸腰筋の柔軟性といったところも非常に重要な要素です。

ランニングエコノミー、「走の経済性」と言って、いかに「エネルギーロスの少ない走り」をするかは、非常に重要です。

ただし、ランニングフォームだけではなく、こういった根本的な身体の使い方、つまり、筋力の向上や、柔軟性の向上から目を背けてはいけない、ということを覚えておきましょう。

筋力や身体の使い方がわかると、自然とランニングエコノミーが良くなるというのはよくある話なので、地道な筋力トレーニングやストレッチはとても大切です。

筋力トレーニングの方法

そして、こういった筋力を上げるためのトレーニングについてお話します。
これは筋トレではなく、走るトレーニングですね。

基本的には、「短い距離をより速く走る」練習をすることによって、筋力は強化されていきます。

基本トレーニング例①

代表的なのが、「ジョグの最後の1キロを目いっぱい速く走る」。
こういったことでも、スピードはついていきます。

基本トレーニング例②

他には登坂走、つまり「坂ダッシュ」ですね。
坂ダッシュは、スピードを上げるための筋力アップにはもってこいです。

しかし、強度が高いので、慣れていない方がやり過ぎると、怪我のリスクもあります。
最初は、「ジョグの時の坂道を速く走る」ことから始めてみてもいいかもしれませんね。

基本トレーニング例③

他に「ジョグの最後に、流しを入れる」方法もあります。

代表的なものが、「200m × 5本」といった流しを、ジョグ終わりに入れることによって、ジョグの日でも筋力強化が可能です。
また、流しをすることによって、神経に刺激が入り、翌日の動きの切れもよくなります。

200mを全力で走ると、結構きついです。
ジョグの後に5本行うと、最初はかなり強度が上がることでしょう。

なので、最初は「100m × 5本から始める」や、「200m × 2本から始めて徐々に本数を増やしていく」という形で、徐々に強度を上げていきましょう。

高強度トレーニングとのミックス

このような練習を行いながら、高強度な練習を行います。

高強度な練習は、
・1000m×5本
・400m×10本
つまり、5000mのレースペースに近いトレーニングです。

高めた筋力と、普段から行っている低・中強度走で高めた、有機的代謝がミックスされ、スピード持久力の向上に繋がっていくわけです。

スピード持久力は、「狙ったレースペースをどれだけ持続させられるか」という能力です。
つまり、これらのトレーニングによって、スピードを上げるだけではなく、最終的に、スピード持久力につなげていくわけですね。

ただ単純に、坂ダッシュをしてスピードを上げるだけではなく、低強度走で持久力を向上させるわけでもなく、大切なことは、こういった基礎的な能力を向上させながら、高強度な練習で、この能力をミックスさせることです。

なので、「長距離走のスピードを上げる」ことは、シンプルに「走るスピードを速くする」のではなく、スピード持久力の強化、つまり「速いペースをどれだけ持続させるか」といった能力の強化だということを覚えておきましょう。

いかがでしょう。
冒頭でもお伝えしましたが、今の時期に「スピード」を磨くということは、非常に重要です。
今の時期の、5000mなどの速いペースに慣れておくと、マラソン大会のペースにゆとりを持つことができます。

秋以降のマラソン大会で良い結果を出すためにも、「スピード」にも目を向けてトレーニングに励んでくださいね。

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • スピードがあるマラソンランナーとは、「5000m」のタイムが速いランナーである
  • 5000mのタイムを伸ばす基礎トレーニング
    ①「低強度や中強度のロングラン」で代謝機能を向上させよう!
    ②「筋力トレーニング」でピッチを上げ、ストライドを伸ばそう!
  • 基礎トレーニングに高強度トレーニングをミックスさせ、「スピード持久力」を強化しよう!

出典

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