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【秋のマラソン大会攻略法】4-6月の距離走が大切な理由

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.52万人(2024年4月22日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「4-6月の距離走」、つまり、「ロング走について」お話ししていきます。

4-6月は、マラソン業界は「オフシーズン」、ウルトラマラソンやトレイルランニングは「シーズンイン!」と言ったところでしょうか。

マラソン大会を主戦場にしている方は、これからのトレーニング、つまり「オフシーズンのトレーニング」というのは非常に重要です。

例えば、日本のプロ野球選手でも、シーズンが終わって少し「オフの期間」をとったら、「身体づくり」を始めて、年明けにキャンプで「専門的なトレーニング」を始めて、オープン戦で「実践練習」を行い、本格的に「シーズンイン」、という流れですよね。

基礎の「身体づくり」ができていないと、いざ実践練習をしたときに身体が動かないわけです。
オフシーズンに、脂肪だけで体重が増えてしまった選手なんて、もってのほかですね。

ランナーも同様で、この時期に基礎の「身体づくり」をしっかりしておくことで、シーズン前の実践練習が活きてきます。

逆に言えば、この時期のトレーニングを疎かにしてしまうと、9-10月の実践練習が上手くできません。
それどころか、身体ができていないので、怪我をしてしまいます。

オフシーズンの「身体づくり」というのは、本当に重要なことを覚えておきましょう。

前置きが長くなりましたが、今回はそんな「オフシーズンのロング走」についてお話しします。

よくいただく質問が「この時期にも長い距離は必要ですか?」というお声ですね。

今回はこの項目に焦点を当ててお話ししていきます。
皆さん、マラソン大会前のロング走には注目しますが、実は大事なのは、この時期のロング走だったりします。

今からマラソン大会シーズンのことを考えて、ぜひ一緒に学んでいきましょう!!

ロング走の効果

まず、「今からの時期のロング走は必要か?」という回答なのですが、結論からいうと「必要」です。

というより「必須」です。

もちろん、距離走やロング走の定義は人によって違います。
「週間走行距離の30%前後が上限」というデータがありますが、じゃあ「何kmから」というのはあまり聞かないです。

ただ、僕の動画を見てくださっている方の、大部分はマラソン大会を主戦場にしている方が多いと思います。
マラソンの特異的な距離走というのは、「30km以上走ること」ではないか、と僕は思っています。

僕の考えるロング走は、
・20~25kmは基礎構築のためのロング走
・30km以上は、マラソン大会の特異的なトレーニングのためのロング走

という風に考えています。

そもそも、「ロング走にはどういった効果があるのか」。
ここを理解しないことには話にはなりません。

ロング走の目的は、主に「筋持久力の強化」と「代謝機能の改善」です。

筋持久力を強化するメリット

ザクッというと、「筋持久力」は、「長く走っても疲れない足」と思ってください。

「筋持久力」が強化されると、「レース後半になったら足が止まる」という現象を回避できます。

また、「脚攣り」の原因の多くは「筋持久力不足」によるものです。
つまり脚攣り改善にも、筋持久力の強化、つまり、ロング走は大切なわけです。

代謝機能を改善するメリット

次に「代謝機能の改善」ですが、フルマラソンを走り切るためにはエネルギー生産力を上げる必要があり、代謝機能を改善すれば、マラソン大会後半の「エネルギー切れによる失速」を防ぐことができます。

エネルギーが切れると、そもそも動き続けることはできませんからね。
この機能を改善、向上させていくことができるのもロング走ということです。

ロング走の強度

この2つを上げたときに「確かに!」と思う方も多いと同時に、「ペースが遅くてもこれらの機能は改善するのか?」と疑問に思う方も多いはずです。

これは結論、ペースが遅くても、「筋持久力」や「代謝機能」は改善、向上していきます。

ここに関して、とても大切です。

確かに、ペースが速くて長く走れると、トレーニングとしての効果は非常に大きく、大きく能力を向上させることができます。
しかし一方、「速いペースでのロング走」というのは、1回のトレーニングのボリュームが大きすぎて、強度が高すぎるのです。

そうすると、疲労がたまりすぎて、トレーニングをつなげることができないわけです。

この、「つなげることができない」というのが大事な所で、どんな練習でも、「1回だけやればいい」という練習は存在しません。

「1回インターバル走をしたから速くなる」
「1回ペース走をしたから速くなる」
「1回30km走をしたから筋持久力が改善する」
「1回のジョギングで心肺機能が向上する」

こんなことはなく、どんな練習も、「繰り返し行う」ことによって、少しずつ能力が改善、向上していきます。

それはロング走も例外ではなく、1回の強度の高いロング走は、確かにロング走としての効果は高いですが、「継続させること」が困難です。

例えば皆さん、「2週間に1回、レ―スペースと同じペースの30km走をやりましょう」と言うと、気持ち的にも、身体的にも億劫ですよね。

ダメージも残り、怪我のリスクも大きく、また精神的にも嫌な気持ちになります。

このように、「練習をつなげる」という観点から見たときに、無理にペースを上げるロング走は「適切ではない」と言えます。
そして、マラソン大会には「練習をつなげることが最重要」と言っても過言ではありません。

ここで話がようやく戻ってくるのですが、レ―スペースが遅くても代謝機能や筋持久力は十分向上させることができます。

ダメージも少ないので、ロング走を行うのは、低-中強度のペースで行いましょう。

低強度走や中強度走については、非常に大事な内容なので、こちらのコラムで確認くださいませ。

簡単に言うと、
・低強度走は、「楽である」というペース
・中強度走は、「楽ではないがきつくはない」というペース
です。
このペースでも、皆様の能力は確実に向上していきます。

4-6月のロング走の意義

そして、今の時期にロング走を行う理由は、先ほどお伝えした「2つの能力」を今から強化することで、9-10月の「特異的なトレーニング」にスムーズに移行できるからです。

「特異的なトレーニング」というのは、基本的には強度が高いので、いきなり行うと、ダメージが大きく疲労を残したり、怪我のリスクが大きく上がります。
マラソンでいうと30km走や35km走、40km走といったマラソンに特化したトレーニングです。

しかし、基礎構築として、4月から20-25kmのロング走を定期的に行っていれば、9-10月以降の「特異的なトレーニング」やマラソン大会時期に行う「マラソンに特化した30km以上のロング走」を、リスク少なく行うことができます。

つまり今の時期のロング走というのは、「長く走るための土台」を今から作っておくという非常に大切な項目になります。
逆にこの時期から、ロング走を行っていないと、フルマラソンを走るための脚を作ることが困難です。

僕たち市民ランナーのほとんどが、月間走行距離は200-300kmの間でしょう。
この距離で結果を出していくためには、やはりコンスタントに「練習を継続させる」ことがマストです。

なので、ロング走も、今の時期からにコンスタントに行うことが重要でしょう。

フルマラソンを走るためには、「特異的なロング走」、つまり、「30km以上や3時間ほど走るロング走」が必須です。

そして、「特異的なロング走」にスムーズに移行するためにも、「特異的なロング走」をより効果の高いものにするためにも、「基礎構築のロング走」が必須になります。

「基礎構築のロング走」ですが、頻度と距離に関しては、
・1週間や隔週に1回行う
・20-25kmの低-中強度走を行う

と十分です。

可能であれば、毎週行えるといいですね。
低-中強度走がわからない方は、「目指すマラソンペースのマイナス1分以内」で走ってください。

いかがでしょうか。
長い距離を走るということは、マラソンの基礎であり、基礎構築の時期には必須の内容となります。

さわやかで走りやすい時期はすぐに過ぎ去り、暑くなりますが、しっかりロング走を走ってくださいね!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • 「筋持久力の強化」と「代謝機能の改善」するために、4-6月のロング走は「必須」!
  • トレーニングを継続するために、「低-中強度のペース」でロング走を行う事!
  • マラソン大会に繋げるために、1週間や隔週に1回、「コンスタント」に行う事!

出典

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