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【マラソン大会攻略に必須!】9月以降にやるべきトレーニング

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数10万人(2024年9月24日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「9月以降に実施してほしいトレーニング」がテーマです。

さて皆さま、いよいよ9月です。

北海道マラソン、楽しそうでしたね。
走られた皆さま、お疲れ様です。

北海道マラソンが終わると、僕がいつも思うのは「シーズン開幕だな」と感じます。
「いよいよスイッチが入る」、そんな感じです。

まだまだ日中の気温は高いですし、全体的な気温も高めですが、朝晩とかなり走りやすくなりました。
夜は練習が終わると、風が気持ちいいですしね。
いよいよ夏の終わりを感じて、寂しい気持ちですが…

さて、そんな中でランナーの皆さまが気になるのは、9月以降のトレーニングではないでしょうか。
マラソン大会に向けてどのようなトレーニングを行えばいいか、ですよね。

暑い中、頑張ってトレーニングを行ってきて、そこから如何にマラソン練習に活かすか。

最も大切な時期と言えます。

今回は9月以降に行うトレーニングを、ざっと紹介していきます。

ここからマラソン大会シーズンに突入します。
今年、結果を残せるように、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

9月以降のトレーニングのポイントは?

8月までのトレーニングのポイント

まず、「8月までのトレーニング」というのは、「基礎の構築」です。

特に7-8月は暑さで、「強度を上げたトレーニング」や、「長距離」を走ることが難しいので、基本メニューとしては、ペースをコントロールした「低-中強度走」や、「強度を落とした高強度走」です。

1回の走行距離がそこまで取れないので、「マラソン大会に対して特異的」というわけではなく、「基礎をしっかり固めていく時期」でした。
土台を作りこむ時期が、8月までという事ですね。

9月以降のトレーニングのポイント

では、9月からはいったいどういったトレーニングをしていくのがいいのか?
基本的な考え方としては「距離も質も上げていく」という見方になります。

「マラソン大会に対して特異的なトレーニング」を始めていく時期です。
「一定のペース」で、「長い距離」を走る練習、ということですね。

つまり、「マラソン大会に対して特異的なトレーニング」というのは、「低強度の運動を持続させる」という所です。

ここでいう「低強度」というのは、低強度走ではありません。
「低強度」は、「全速力に比べて」だと思ってください。
「全力走に比べて、低い強度」になるので、「低強度の運動」ということです。

100mの全速力に比べて、マラソン大会ではずいぶん遅いスピードですよね?
その運動を持続させるのが、「マラソン大会」です。

まあ、低い強度じゃないと、42kmも持続して走れませんから(笑)

この、マラソン大会の競技特性に合わせたトレーニングをしていくのが、9月以降の練習になる、という事を抑えておきましょう。

では具体的には、どういったトレーニングを行う必要があるのか。

次の3つに分類して説明していきます。
①低-中強度走
②高強度走
③ロングラン

9月以降のトレーニング①:低-中強度走

まず、「低-中強度走」ですが、このトレーニングは、「9月だから行う」というものではなく、基礎的なトレーニングなので、「オールシーズン全て行う」というトレーニングです。

一般的には「ジョグ」と言われているものですね。
練習の「基礎」となる部分です。

「9月以降マラソン大会の特異的なトレーニングを入れる」といっても、「基礎的なトレーニングをやらない」という人はいないでしょう。
それはどんなスポーツでも一緒で、柔道で受け身をやらない人はいないでしょうし、格闘技で、実戦が近づいてきたら、スパーリングしかしない、という人もいないでしょう。

同様に、移行期と言えども、「ジョグ」は「基本」であり、練習の大部分を占めます。

ここで、9月以降のジョグで大事な事をお伝えするとすれば、やはり、「低強度走」よりも「中強度走」の方が、強化になるという点です。

じゃあ「全ての人に中強度走が向いているか」、となると、「そういうわけではない」かな、と最近は考えています。

「走行距離が多い人」ほど、低強度走を多く活用している印象です。
そして、「走行距離がそこまで多くないけど、結果を出している人」は、ジョグをする際、ペースが速い「中強度走」を取り入れています。

僕の考察ですが、「走行距離が多い方」は、走っている距離が長いので、中強度走では疲労が回復しきらなくなるのだと思います。
なので、低強度走で、じっくり走りながら、「足づくり」と「代謝能力の改善」をしている、と考察します。

そして、「距離をそこまで走らない方」は、距離を走って足づくりができない分、「1回の練習の質」を少しでも上げるために、「中強度でジョグ」をしている、という考察です。

走行距離の目安として、大体、「月間走行距離500km以上走る方」は低強度走が多い印象ですね。
あくまで僕の周りのランナーの話を聞いた印象なので、参考までに。
「500kmって…」と思う方も多いですよね(笑)
なので、多くの市民ランナーの方は、「中強度のトレーニング」が重要かと思います。

マラソン大会が近づいてくる9月以降なら、「レ―スペースに近いトレーニング」をした方が良いです。
なので、9月以降はより、「中強度走」の意識を強く持つことをお勧めします。

時間が取れない場合は、先日のコラムを是非参考にしてください。

9月以降のトレーニング②:高強度走

続いて、「高強度走」です。
高強度走のテーマは、「持続的なハイペース走」です。

つまりは「テンポ走の距離をどれだけ伸ばしていけるか?」がポイントになります。

スピードなどの強度設定も、もちろん重要ですが、ある程度早く走れるようになると、9月以降は、「スピードを持続させる能力」、いわば「スピード持久力」の重要度が大きくなります。

例えば、「サブ3.5を目指す方」であれば、レ―スペースは「1km当たり4分58秒」です。
ここを目指す方に必要な能力は、1000mを4分切る力なのか?
それともハーフマラソンの平均ラップが4分40秒なのか?

もちろん、「両方兼ね備えている方がいい」という事が大前提ではありますが、大切なのは明らかに「後者」です。

「当たり前」と思う方も多いと思いますが、前者のほうにフォーカスを当ててトレーニングを行ってしまう方が多いのも、事実です。
「短い距離を速く走れた」というのは、レベルアップの目安としてはわかりやすいからだと思います。

何度もお伝えするように、「スピードが速い」に越したことはありませんが、「一定のスピードを持続させる」能力のほうが、マラソンを攻略する上では非常に重要になります。

なので、高強度のトレーニングのメインは「テンポ走」になります。
レ―スペースよりも「速いペース」で、「持続的に走る」トレーニングですね。

行う順番として、
①5000m×2本の分割テンポ走
→②8000mのテンポ走
→③10000mのテンポ走
→④12000mのテンポ走
→⑤15000mのテンポ走

というように徐々に「距離」を増やしていきましょう。

インターバル走の場合も同様に、「1000m×5本」をクリア出来たら、タイムを速くするのも1つですが、「本数を増や」したり、「レストを短く」したり、レストを「ジョギングでつなぐ」ようにしたり、できるだけ「動き続ける時間」を長くするようにしていきましょう。

ただ、「最大スピードを強化する」タイミングはどうしても減ってしまいます。
なので、練習終わりに、「200mの流し」を行ったりして、この辺りを補填するように心がけてみてください。
低強度走などのトレーニングと組み合わせて、行うようにしましょう。

9月以降のトレーニング③:ロングラン

そして最後は「ロングラン」です。
ロングランは、「マラソン特有」のトレーニングです。
このトレーニングを出来ているか出来ていないかで、マラソン大会シーズンの結果が変わってくでしょう。

秋のマラソン大会シーズンに結果を出すことは難ししいです。
なぜなら、「ロングランに取り組む期間が少ないから」と言えます。
特に、昨年あたりから、日本は本当に亜熱帯地域のような天候になっていますので、10月でも暑い日が珍しくなくなってきています。

そんな中でも、秋のマラソン大会、特に10月のマラソン大会で結果を出す方の特徴は、「8月から足づくりをされている方」ではないかなと考えています。

例えば、8月は午前3時に起床をして、超早朝のロングランをしている方ですね。
こういった方は、8月に既にロングランを取り入れているので、9月に入って少し涼しさが出てきたら、ロングランの「質」を上げていくことができる、ということですね。

つまり、「ロングラン」も段階を踏んで「量」と「質」を上げていかないといけません。
いきなり30km走のような「長い距離」や、「速いスピードで長く走る」ようなトレーニングは、耐性ができていないと、疲労を引きずり過ぎたり、怪我をしたりすることになります。

ロングランも、「段階」を踏んで、「回数」を重ねていくようにします。

例えば、
距離を20km
→25km
→30km
→35km
というように、徐々に増やして、身体を慣らしていくことがベストです。

ペースも、「低強度」から、徐々に「中強度」に上げるくらい、で構いません。

速いペースのロングラン、例えばマラソン大会ペースのロングランは、強度が高いため、僕はあまりお勧めしません。

それよりも、ロングランの「回数」を重ねていく方が重要と考えます。
「1回」ではなく、ロングランも「繰り返し」行って距離を伸ばしていけるように、段階的にトレーニングを行う計画を立てていきましょう。

ロングランは時間がかかるトレーニングなので、ご利用は計画的に!

いかがでしょう。
最後に1つ注意喚起です。
8月22日から「処暑」という時期になります。
暑さが収まる時期なのですが、同時に夏場の疲労がピークに達するともいわれています。
特に近年は、残暑が厳しいので、この時期に体調を崩してしまう、怪我をする方も多い印象です。

マラソン大会に向けて、走行距離が増えて、自分のレベルを上げていきたい時期だからこそ、自分の体調に向き合うようにしましょう。

・トレーニング計画に無理はないか
・無理な強度のトレーニングをしていないか
・食事の量はしっかり確保できているか
・栄養バランスや食事の質は良いか
・睡眠はちゃんととれているか
など、自分の体調や身体の調子に向き合いながら、トレーニングを進めていきましょう。

夏場に頑張ったのに、ケガをしたり、体調を崩したりするのは本当に勿体ないことです。

ですので、体調と向き合いながら、食事や休養、そしてトレーニング計画を「定期的に見直す」。
必要であれば「変更」をするようにしてくださいね。

9月からのマラソントレーニングを、正しく進めることができれば、秋からのマラソン大会で必ずいい結果が出せます。
そのためにも、「練習計画」、「日々の体調」、そして「1日1日」を大切にしていきましょう。

僕も一緒に頑張ります。
みんなでベスト更新を目指して、乗り越えましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

https://youtu.be/vxou6a1A3t8

本記事のまとめ

まとめ
  • 9月以降は「低強度」の運動を「持続させる」トレーニングを行うべし!
    ※低強度:全力走に比べて低い強度
  • ①低-中強度走:ジョグを「中強度走」で行うべし!
    ※月間走行距離が500km以上の方はその限りでない
  • ジョグの最後に「200mの流し」を取り入れるのがおススメ!
  • ②高強度走:トレーニングのメインはテンポ走。段階的に「距離」を増やし、持続的に走るトレーニングを行うべし!
  • ③ロングラン:ペースを「低強度」から徐々に「中強度」に上げるような強度で、段階的に距離を増やして、トレーニング回数を重ねるべし!
  • 体調や身体の調子に向き合い、定期的にトレーニング計画を見直すべし!

出典

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