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【マラソン大会で結果を出すトレーニング法!】ロング走の時に注意すべき大切なポイント

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数10万人(2024年10月22日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「ロング走をするときに注意するべきポイント」がテーマです。

さて、今回は「ロング走」についてお話します。
この時期、最もテーマに上がりやすい「ロング走」。
「ロングラン」とも言いますね。

僕も何度も議題に上げています。
皆さま、順調にロングランに取り組めていますでしょうか。

この返答に困る方は多いのではないでしょうか。
「暑さで思ったように走れない」という方は、「ロングランの進捗がよくない」、といった所でしょうか。

今回は「ロングランでよくある悩み」と、「対策」をお話していきます。

とにかく、例年にない暑さで、体調を崩す方も多いです。

ただ、「ゴール」は「マラソン大会で結果を出す」こと。
ゴールを間違えないようにしましょう。

少しでも、ロングランのポイントを抑えられるように、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

ロングランの目的

まず、ロングランのおさらいですが、ロングランの主な目的は、
①下半身の筋持久力の向上
②脂質代謝能力の向上

です。

ロングランの目的①:下半身の筋持久力の向上

一番の目的はやはり、「筋持久力の強化」、そう、「脚づくり」でしょう。

マラソンの特異性は、「42.195kmという距離を、できるだけ速く走り切る」という所です。

「総走行距離」、「月間走行距離」や、「週間走行距離」を積み重ねることで、長距離を走る土台は出来上がりますが、それだけではなく、「1回走行距離」、つまり、「1回の練習でどれだけ負荷を与えられるか」という所も、非常に重要になります。

「総走行距離で土台を作り、ロングランでフルマラソンの脚を作る」というイメージを持っていただければと思います。

なので、総走行距離が少ないと、土台ができないので、「練習に耐えられず」、ロングランが不足すると、いくら総走行距離が多くても、「マラソンの特異性に対応できない」、ということですね。
「どちらが大事」、という事ではなく、「両方が密接な関係」にあります。

「総走行距離が多いのに、フルマラソンの後半で失速してしまう」という方は、「ロングランの回数が少ない」という事です。

フルマラソンの特異性を考えたときに、やはりロングランというのは重要なトレーニングという事ですね。

ロングランの目的②:脂質代謝能力の向上

もう一つは、「脂質代謝能力の向上」です。

人間は、「身体の糖質を使ってエネルギーを産み出す」か、「脂質を使ってエネルギーを産み出す」か、このどちらかしかありません。

よく、「糖質は短距離」「脂質は長距離」とは言いますが、基本的には、「どちらか一つ」ではありません。

短い距離であれば、ほとんど脂質を使う事はありませんが、長距離種目、こと「マラソン」に関しては、糖質と脂質を両方使ってハイブリッドにエネルギーを産み出していきます。
「糖質を使い終わったら、脂質を使う」ではなく、「両方を使いながら」エネルギーを産み出しています。

両方の特性をお話ししますと、「糖質」の貯蔵量は、個人差はありますが、体内に「約1500-1800 cal」といわれています。

対する「脂質」は、体内の体脂肪がエネルギーに変わります。
例えば、体重が60 kgで体脂肪率が10%の人でも6 kgの脂肪が体内にあります。
体脂肪は 7 kcal / 1g なので、「42000 kcal」分が体内にあるということですね。
余裕でフルマラソンをガス欠なく、走ることができます。

しかし、これだけ体内に脂肪があるのにも関わらず、途中でエネルギー切れを起こすのは、「脂質」を使い慣れていないからです。
基本的には、「糖質」はエネルギーになるのが早く、「脂質」はエネルギーになるのが遅いという特性があります。
つまり、いくらたくさん脂質が体内にあっても、「うまくエネルギーに変える」ことができなければ、どうしようもない、ということです。

マラソン初心者なんかは、経験が少ないので、体内にある脂質を上手く使うことができません。
もちろん、慣れていない方は、競技時間も長くなります。
これだけが理由ではないですが、やはり、経験を積んでいるランナーとの違いは、こういった「脂質の代謝」にもあります。

「脂質」を上手く使うことのメリット

「脂質をエネルギーに変えるスピード」は、基本的には「ゆっくり」です。
しかし、これもロングランのトレーニングをしていくと、体内の脂質を使う能力は上がっていきます。

体内の脂質を上手く使えるようになると、ハンガーノックのような、エネルギーが切れて足が止まる、ということも少なくなります。
また、エネルギーが全身をうまく巡ることによって、「足が止まる」や、「脚攣り」の防止にもつながります。

「筋持久力」の観点だけではなく、体内の生理的機能である、「代謝機能の向上」のためにも、やはりロングランというのは重要ということです。

ロングランが「苦手」になる理由

なので、マラソン大会を攻略するためには、「1回の走行距離」を確保する「ロングランのトレーニングが必須」ということになります。

少し前置きが長くなりましたが、このロングランのトレーニングが「苦手」という方は非常に多いでしょう。

なぜ苦手なのか。
そしてその苦手を克服するために、意識して欲しいことを今から紹介していきます。

やってはいけないトレーニング方法

最も重要なのは、「後半に失速する」ロングランは厳禁です。

よくあるパターンで、「ロングランを行う」となった時に、いきなり30km走から始めようとして、後半タイムを落として、命からがら完遂する、というパターンです。

ロングランの「導入時」に、よく見られます。

このロングランの一番良くないところというのは、「心身ともにダメージが残りやすい」という点。
もう一つは、「そこまでトレーニング効果が得られない」という点です。

ロングランで身体が動かなくなる理由

まず、ロングランで身体が動かなくなる理由は、「下半身の筋持久力不足」ですね。

高強度の練習でいうと、設定タイムが「速すぎる」状態です。
しかし、高強度の練習では、設定がハードすぎると、そもそも完遂することはできません。

ロングランはやり直しがしにくい

完遂できない場合、「途中であきらめて、翌日に持ち越す」、または、「少しレストをとってリスタート」したり、「設定を落としてスタートしたり」と、色々対策方法はあります。

しかしロングランの場合、こういったやり直しができないことが多いです。

これは僕個人の解釈が入りますが、まず、ロングランは圧倒的にシーズン通してやる回数が少ないので、実施する回数が少ないので、「せっかくやるならやりきらないと!」という心理が働き、足が売り切れた後でも、どうにか最後までやり切ろうとする方は多いでしょう。

また、周回コースではなく、往復コースで実施している場合、遠くまで行って帰らないといけない、という物理的に止められない問題があります。
なので、「止めたいけど止められない」という状況で、命を削りながら、最後まで走る、という方も非常に多いです。

他の高強度練習との違い

例えば、高強度のポイント練習であれば、「下半身が動かなくなる」というよりは、そもそも、設定がきつすぎて、「心肺がついてこない」ので、「少し休憩する」、「設定を落として再スタートする」という事で、何とか再開できやすいです。
まあ、こういった場合でも、まずはスロースタートにするべきですが。

しかし、ロングランの場合、心肺機能ではなく、「下半身のダメージ」による失速がほとんどです。
その場合、ちょっと休んでも回復はしないのですね。
ペースを落としても、楽にはなりませんし、この状態で走るとさらにダメージは悪化します。

この状態では、「効果的なトレーニングができている」とは言いにくく、「身体にダメージを残してしまう」だけの練習になってしまいます。

また、エネルギーの枯渇や発汗により、心拍のドリフト現象も、起こりやすくなります。
「ドリフト現象」は、急劇に心拍が上昇してしまう現象と思ってください。

この場合も、一度上がった心拍は、休憩してもなかなか落ちません。
エネルギーの枯渇や発汗が原因なので、休んで回復するものではないからですね。

こうなると、もうどうしようもない。

ただただ苦痛の中、トレーニングを行うしかないので、精神的にもロングランが嫌いになりますし、身体的にも、ダメージが残るので、練習の継続が困難になります。

継続しやすいトレーニング方法

①距離・ペースの設定

なので、ロングランは、まず「甘めの継続可能な距離」から始めます。

いきなり30kmではなく、まずは20kmあたりから始めて、ペースも「必ずやり切れる」設定にします。

特にまだまだ残暑が残る今の時期、発汗量が多いので、ドリフト現象がより顕著になります。
暑さを感じるのであれば、より一層ペースや距離は甘く考えた方が良いです。
特にロングランが苦手な方であれば、まずは距離もペースも、必ずできる範囲で始めましょう。

②精神的な取り組み方

ロングランだけではなく、全てのトレーニングは、積み重ねることで、自信がつきます。

はじめは嫌でも、積み重ねると自信に繋がりますので、まずは「できる範囲」で。
そこから徐々に拡張させていきましょう。

「できること」を行うことが、練習では何より大切なことです。

失速しそうであれば、中断して、翌日や翌週に持ち越せばいいや、くらいの感覚でいいんです。

ロングランは、「回数を重ねる」と、間違いなくこなせるようになります。
もちろんコンディションもありますが。

なので、「1回の練習」で完結させないように、心がけましょう。

③補給食の準備

そして、もう一つ重要なのは、「補給食の準備」です。

先ほどお伝えした、「脂質代謝」。
「脂質」をエネルギーとして使うには、実は「糖質」が必要です。
つまり、体内から糖質が全くなくなると、脂質すらも使えなくなります。
ここを抑えておかないと、「脂質代謝の向上」に繋がりません。

なので、ロングランの前には、必ずバナナを一本食べるなどの、「糖質を補給する」ことで、より「脂質代謝が活性化」されます。
またロングランの途中で、ジェルや飴玉を補給するだけでも、「脂質代謝が向上」します。

糖質は、エネルギーとして直接使うだけではなく、脂質を使うために補給する、という所も抑えておきましょう。

予定距離の半分こなせたら、「ジェルを補給する」など、「糖質の補給」を意識しましょう。
練習で、ジェルを補給しておくと、本番でも補給慣れします。

ロングランの時はジェルを1つ携帯していくことを、おススメします。

いかがでしょう。
前置きや途中の話が長くなりましたが、言いたいことは、「無理な」ロングランをすると、疲労が残り過ぎるのであり、「35km走や40km走を行う」と疲労がたまる、というわけではありません。

ロングランを継続的に積み上げている方は、35kmや40kmでも走れますし、逆に積み上げができていない方は、25kmでもきつくなるでしょう。

「継続」させることの重要さ。
「積み重ねる」ことの大切さ。

積み重ねるためには、自信をつけるために、「できる」距離や「できる」設定で行いましょう。

そして、成功率を上げるために、糖質の補給を忘れないようにしてくださいね。

ロングランは億劫ですが…。
体調第一で、「できること」から行うようにしていきましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • <ロングランの目的>
    ①下半身の筋持久力を向上させ、マラソン大会後半で失速を防ぐ!
    ②脂質代謝能力を向上させ、「エネルギー切れ」や「脚釣り」を防ぐ!
  • 「後半失速するロングラン」は、休憩しても回復せず、心身ともにキツクなるので、NG!
  • <ロングラン練習方法>
    ①距離・ペースは「完遂できる」強度で設定すること!
    ②回数を積み重ねること!
    ③糖分補給を準備し、適宜身体に供給すること!

出典

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