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【マラソン大会に向けた練習最適化!】練習でやってほしくない2大項目

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数10万人(2024年10月15日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「2大練習でやってほしくないこと」がテーマです。

さて、今回は日々の練習で、「これだけはやってほしくない」ことを紹介していきます。

ようやく涼しくなってきて、トレーニングもしっかり詰めるようになってきましたね。
フルマラソンに対しての練習、例えば、ロングランや長い距離のテンポ走が少しずつ行えるようになってきたのではないでしょうか。

今回は、そんな時期にやりがちな、「練習でやってほしくない2大トレーニング」を紹介します。

「やってほしくない」ということは、「練習で効果が見込めなくなる」、もしくは、「怪我などのリスクが上がってしまう」、この辺りに繋がってくるということです。

マラソン大会が近づいてきて、練習のボリュームが少し上がってくる時期だからこそ、練習メニューや取り組みには最新の注意を払ってほしいです。

皆さまの練習の質を上げるためにも、大切な意識です。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!

それNG練習①:最後の1kmだけ飛ばす

まず、「練習でやってほしくないこと」1つ目は、「最後の1kmだけ飛ばす」です。
これは結構やっている方も多い印象です。

「高強度の練習」をやっていると、よく見られますね。
「最後の1kmだけ飛ばす」、「インターバルの残り2本や1本だけスピードを上げる」といった事。
練習会で競い合う環境にいる方や、「最後は出し切りたい」と気持ちから、最後の1kmを思い切り飛ばしたり、最後の1本を出し切ってしまったりという方は非常に多いです。

色々な意見はありますが、僕もいろんな方から意見を聞いた結果、基本的に最後に飛ばすということはよくありません。

まず、最後に飛ばすというと、「一気に」10秒/1km 以上、上がる方は多いです。
こういったペースの上げ方をしてしまうと、まず動きに力みが出てしまいます。
力みが出ると、最後の1kmくらいは確かに飛ばすことは可能ですが、走り終わったらすぐに立ち止まって、休憩をするくらい追い込んでしまいますよね。

果たして、「マラソンにそこまでの追い込みは必要なのか?」という問いについて、僕は「いらない」と考えています。

マラソンや長距離というのは、基本的には「最後まで余裕をもってゴールをする」という種目です。
なので、練習も最後まで余裕をもって終わるべきです。

また、最後に飛ばして練習を出し切ることが習慣になってしまうと、これも怪我に繋がる危険な行為です。
最後に余裕をもって終わることで、翌日にも疲労を持ち越さず、練習を継続させることに繋がります。

つまり、追い込み過ぎない練習というのは、「練習を効率よく継続させる」ことに繋がります。

練習で大切なことは、「継続」です。
継続ができない練習は、効果も求めることはできません。

「瞬間的にスピードを上げる」「最後の1kmだけ飛ばす」といったことは、どんな方でも5分程度で終わってしまいます。

これが「5000mのラストスパートの練習で行う」というのなら、一定理解はできますが、そういうわけではなく、「トレーニング効果を最大化させていきたい」というのであれば、練習を継続させるために、疲労を残さないよう、最後は「腹八分目で終わる」ことが重要です。

インターバルであれば、最後の1本が終わった後にジョグをする余裕を持てるぐらい。
ペース走であれば、最後の1kmは、飛ばさずに余裕をもって終われるように、設定ペース前後で走り切る。
こういったところを意識してみましょう。

確かに「やり切った!」という感覚は、最後にペースをあげた方が、あるかもしれませんが、それでも十分、身体に対する負荷は残ります。

これおススメ①:効果的な練習の終わり方

ただし、ジョギングなどの「低強度」のトレーニングの最後1kmだけ、スピードを上げるのは非常に効果的です。
神経系への刺激になり、1kmだけなので、負荷もそこまであがりません。
「ジョギングの最後の1kmのペースを上げる」というのはあり寄りのありです。

そして、「高強度」の練習でも、一気に上げるのではなく、残り3kmほどから、じりじりと上げていき、ビルドアップ走のようなトレーニングは、非常に効果的です。

この場合でも、「前半は余裕をもってスタートして、後半にかけて、ペースをあげていく」というのが理想的です。

これは、前半に余裕を持ったスピードで走っているから、後半でもペースをあげる余裕があるのですね。
前半からハイペースで突っ込んで、後半に失速し、結果中断してしまうより、前半に抑えて走って、後半はビルドアップする方が、メニューとして量を確保できます。

余裕を持ったペースでも、距離を走れば強度は後半にかけて上がっていきますし、後半に少しずつビルドアップしていくのであれば、力まずにペースをあげることができます。

「一気にペースをあげる」というよりは、「後半にかけてビルドアップ」をさせるために、前半は「余裕を持つ」という走りをする方がいいかと思います。

それNG練習②:ペースが速すぎる高強度練習

陸上

2つ目は、「ペースが速すぎる高強度練習」です。

これも先ほどと繋がるところはあるのですが、できるかわからない「無理な設定で行う高強度練習」はやって欲しくない練習です。
特に今の時期、こういった練習は、できるだけ避けて欲しいところです。

まず「ペースが速すぎる練習」というのは、そもそも「予定しているメニューを消化できるかわからない」という事になります。

練習というのは、「できるかできないかわからない」博打でやるわけではありません。
博打のトレーニングをしてしまうという事は、「成長するかしないか」も博打になりますよね?
また、成功すればいいですが、失敗をしてしまうと、失うものが多すぎます。

その日の練習プランが無駄になりますし、また、その週の練習計画にも狂いが生じます。
そして「失敗をした」というメンタル面のダメージも大きくなります。

これおススメ②:適した練習メニューの見極め方

練習というのは、「できるかできないか」という基準で決めるのではありません。
個人的に、一番強化に繋がるメニューというのは、「できる」けど、「きついからやりたくない」というメニューです。

そういったメニューというのはどういうメニューかというと、僕が個人的に考えるのは、ある程度のスピードで「ボリュームのある」トレーニングを行うメニューです。

①インターバル走

インターバルであれば、「1000m×10本」や「400m×15-20本」など、本数を重ねるトレーニングになります。

「きつすぎる」と感じる方は、そもそもの設定が速すぎるのです。

例えば、「1000m×5本」でオールアウトする設定だと、確かに不可能です。
しかし、そこよりも設定を10秒遅くして、「本数をこなす」ことによって、長時間動き続ける、すなわち、マラソンに適したインターバルトレーニングになります。

②テンポ走

テンポ走でも同様です。

「10km5分」のテンポ走ならできるけど、「4分50秒」では5km以上できるかわからない。
こういった場合、選ぶのは「前者」です。

「できるメニュー」と「できるかわからないメニュー」であれば、間違いなく「できるメニュー」をチョイスしましょう。

先ほどの例でいうと、「4分50秒」では、5kmで終わってしまう可能性があります。
そうなると、確かに「速いペース」で走っているのですが、マラソンに必要な「持久的要素」、つまり「メニューのボリューム」を確保できません。
マラソンの特異性は、高強度の練習でも「ボリューム」、つまり、「量」をしっかり確保することです。

「できるかわからない」メニューは、「量」を確保できない可能性が高いです。
そうすると、マラソンに対して「適切な強化に繋がらない」という事になります。

マラソン大会に効果的な練習メニューのポイント

しかし、「ある程度速いペース」で走らないと、強化に繋がらないのでは、という意見もありそうですが、そんなことはありません。

ペースをそこまで上げなくても、「本数」や「距離」を重ねることによって、適切な代謝機能の強化に繋がります。
そして、距離を重ねることで、「下半身の筋持久力強化」にも繋がります。

マラソンという競技、いや、長距離は「低負荷長時間」の競技です。
なので、練習時間や走行時間は「長い方が良い」と言えます。

話はテンポ走に戻すと、例えば、10kmまでは5分で走り、10kmを超えて、最低限距離を確保できたら徐々にビルドアップをして、15kmまで走る。
こういった意識でトレーニングを行えば、「量」そして「後半にかけてスピードを上げる」ことができますので、「量・質共に高いトレーニング」になるでしょう。

「質」の方に頭が行き過ぎて、「設定」ばかりに捉われると、練習が億劫で苦しいものになってしまいます。
まずは「量」を確保できる設定でスタートしていくことをお勧めします。

特に一人で練習を行っている人であれば、なおさら意識してくださいね。
何度も言いますが、「設定タイム」に捉われないようにしてください。

いかがでしょう。
「やってほしくないトレーニング」というよりは、メニューを組む時に「練習で注意してほしいこと」と言えます。

「最後に追い込み過ぎない」、また、「設定を上げ過ぎない」。

この辺りを意識すると、まず無理な練習を行わなくなるので、怪我のリスクを抑えることができます。
「怪我を抑えられる」ということは、「継続的に練習の量を確保しやすくなる」ということです。
マラソンを攻略するには、やはり「量」の確保は非常に重要です。

今からの時期は、「怪我をせずに走る」。
それが夏に頑張ってきた練習を活かすことに繋がります。

そういった意味でも、今回お話ししたことを、意識しながら、日々の練習に取り組みましょう。

今シーズンまもなく開幕です。
良いシーズンを迎えられるよう、ここから頑張っていきましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • 高強度の練習で、最後に全力を尽くすのはNG!練習を継続できる余裕を持って終わること!
  • おススメの「練習の終わり方」
    ・「低強度」練習の最後1kmだけ、スピードを上げる!
    ・「高強度」練習は後半にかけてビルドアップする!
  • 完遂できない設定の高強度走はNG!やりきることができる設定で行うべし!
  • おススメの「練習の見極め方」
    ・「きつすぎる」練習は、ペース設定が速すぎる!本数をこなせるペースに調節すること!
    ・「できるメニュー」と「できるかわからないメニュー」では、「できるメニュー」をチョイスすること!
    ・「質」にこだわり過ぎず、練習時間や走行時間など、まずは「量」を確保できる設定で練習すること!

出典

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