【マラソン大会練習のコンディション維持に!】心身の疲労が限界の時の特徴と対策(体験談)
高山敦史
パーソナルトレーナー
インフルエンサー
略歴
某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.95万人(2024年8月30日時点)
資格
JATI認定トレーニング指導者
URL
監修者コメント
高山敦史
今回は「不調な時の対処方法」がテーマです。
さて、皆さまの中には、「現在不調で、うまくパフォーマンスが上がらない…」という方も少なくないでしょう。
「暑さによる疲労」や「オーバーワーク気味になっている」という方もよく聞きます。
今回は、「不調に陥ってしまっている方がやるべき行動」。
これを紹介していきたいと思います。
というのも、僕自身、1週間前に体調不良で、身体を動かすことができず、休むしかない、という状態に陥っていました。
それまでの自分の行動を振り返ってみて、「かなり無茶をしていたな」と思うところが多々あり、反省しております。
今年に入って体調を崩すことが少し増えており、今回もまた、体調を崩してしまいました。
なので、「自戒の意味」というわけではありませんが、体調を崩す方も増えており、まだまだ暑さも続きます。
そして、マラソン大会も近づいて、焦っている方も多いので、少しでも参考になれば、と思います。
不調の原因
まず、「不調に陥る人の特徴」は3つ。
① オーバーワーク
② 栄養不足
③ 睡眠不足
とても基本的なことです。
これを、今年の自分に当てはめて、解説していきます。
不調の原因①:オーバーワーク
まず、「オーバーワーク」は、「自分のキャパシティよりも、練習量が増えてしまう」、もしくは、「設定ペースが速すぎる練習を繰り返し行う」ことによって起こります。
練習の強度を決めるのは、
〇練習の距離(時間)
〇練習のペース
〇練習の頻度
この3つです。
身体は、同じ負荷でも、繰り返し行うことにより、順応していきます。
つまり、最初は「きつい」と思った強度設定や、練習頻度も、「慣れてくる」ということですね。
しかし、慣れる前に、疲労の蓄積が大きく、そのままパフォーマンスが低下していくパターンもあります。
特に、夏場は、発汗量が多く、心拍も上昇しやすく、平常時よりもエネルギーの消費が激しく、同じ運動を繰り返しても、練習が過酷で、リカバリーが追い付きません。
なので、夏場は運動の強度を落として、練習をするのですが、それでも、疲労に悩む方は、非常に多いです。
慣れる前に、つまり、身体が適応する前に「疲労に負ける」ということですね。
特に今年の夏は暑い期間が長く、まだまだ続きそうです。
マラソン大会が迫ってくる中で、「焦るけど、暑くて、疲労がたまり練習が上手くできない」という方も増えてきそうです。
暑さの中で焦って「オーバーワーク」になる方も増えていくでしょう。
僕自身のお話です。
今年は、記録を伸ばすために、昨年よりも走行距離を伸ばそうと、励んでいました。
昨年の月間走行距離は約300kmが平均値だったのですが、今年は最低でも平均350km以上を走ろうとトレーニング計画を組んでいました。
そして、6月7月と順調に370km前後走ることができ、8月で400kmを目指して走っていました。
2部練も積極的に活用していたのですが、8月は常に足が重い状態が続いていました。
「走ってもうまく走れないな」という日が増えてきて、それでも走行距離を追い続けていましたが、とうとう先週、体調を崩して寝込む、という状態にもなりました。
「うまく走れない」という時点で、練習の頻度や強度、そして走行距離へのこだわりを、いったん抑えるべきだった、と反省しております。
不調の原因②:栄養不足
2つ目は、「栄養不足」です。
身体は、「食べるもの」で作られており、また、栄養が不足すると身体の回復は遅れていきます。
特に、ランナーはエネルギーの消耗が激しく、夏場は特に発汗や心拍の上昇が大きいので、エネルギーの消費は涼しい時よりも、大きいです。
失ったエネルギーは、「外部から摂取」しないといけない。
そう、「食事」ですね。
エネルギーの消耗が激しい夏場。
そして、走行距離を増やしていく今のタイミング。
夏バテを起こしやすい今のタイミングは、食事の重要度は増しています。
この食事に関しても、僕自身、少し軽視しておりました。
「軽視していた」というより、「優先順位を落としていた」というところです。
先ほどお伝えした通り、練習量を増やしていたのですが、「水分をとる量」が多くなってしまい、少し「食事の量」自体が、落ちていました。
しかし、それでも意識して摂取していたのですが、一番やってはいけなかったのが、「夜の食事をとらない」ことが増えていたことです。
練習を、夜に行うことも多いので、夜遅くに食事をとることになります。
あまり遅い時間に食べると、睡眠の質が低下してしまいます。
後にもお話しますが、睡眠時間も少なくなっていたので、少しでも眠りの質を上げたいと考えて、遅い時間になると、「プロテインだけ飲んで寝る」という日も少なくありませんでした。
朝もそこまでたくさん食べる方ではないので、実質しっかり食べる日は、お昼のみ、という日も多かったです。
結果、栄養不足で体調不良になってしまった。
先ほどお話した、練習のパフォーマンスが上がらなかった、という所にもつながってきます。
「何を食べるか」というのも非常に重要ですが、当たり前のことですが、「量をしっかり食べる」というのも、また大切だということを、身をもって実感してしまいました。
今は、3食できるだけしっかり食べるようにしており、体調不良明けは、身体も元気に動いております。
不調の原因③:睡眠不足
3つ目は「睡眠不足」です。
僕自身の不調の原因の一番の理由は、これの気がします。
睡眠時間が短くなると、
〇体調不良
〇イライラ
〇パフォーマンスの低下
〇仕事の作業量の低下
〇体重増加
など、さまざまなデメリットがあります。
特に、パフォーマンスの観点でいうと、睡眠を「4時間」と「7時間」のグループに分けた特に、「フリースローの成功率」、「ベンチプレスの挙上重量」、そして「持久力テスト」の全ての項目に差がついた、というのはもはや有名な話。
大谷翔平選手も、睡眠「時間」の確保は徹底しているというのもこれまた有名な話です。
どんなリカバリー方法も、「睡眠には勝てない」という事です。
僕自身の睡眠のお話ですが、体調を崩す前、特に8月は特に眠れていませんでした。
4時間程度の睡眠時間で、ずっと日々を乗り切っておりました。
そうすると、まず「身体が回復しない」というところは先ほどからお伝えしているのですが、体重が増えました。
おかしいですよね?
練習量が増えているのに、食事もあまりとれていないのに、体重が増えるのです。
正直、理解ができなかったです。
おそらくですが、睡眠不足により、代謝が下がっていたのでしょう。
また、慢性的な背中の凝りに悩まされており、自分でどれだけストレッチをしても、整体に行っても、その瞬間には良くなるのですが、翌日にはまた凝りに悩まされていました。
ずっと肩甲骨周りに重い痛みがある状況です。
また、細かなところでいうと、食事中の方は、申し訳ないのですが、便通が悪くなりました。
食事量も落ちていたので、当然といえば当然なのですが、それでも「明らかにおかしいな」という状況でした。
内臓を休ませる時間、つまり、夜に眠る時間が少なかったので、便を生成する時間もなかったのでしょう。
「なぜそんなに眠っていなかった?」と思うかもしれませんが、「朝練を取り入れていた」というのが大きな理由です。
前述のとおり、走行距離を増やしたかったので、日中に走れない状況と、1回の走行時間が短かったので、朝と夜の2部練を頻繁に行っていました。
もちろん、2部練は否定しませんし、僕自身も推奨派です。
しかし、基本的なライフスタイルにおいて、当たり前ですが、食事と睡眠のバランスが取れている方が行うものです。
「睡眠時間を削る」というのは、「一時的」、もしくは、「1日だけ」、というのであれば目をつむることもできますが、「基本のライフスタイルを崩す」ことは良くない、ということを身をもって実感しました。
僕の例をまとめると、「月間400kmを走る」ために、
・練習量を増やす
・結果睡眠時間を削ってしまった
・それでも睡眠の質を上げるために食事量を削った
というところが、悪循環の始まりであったということですね。
大切なのは、ベストコンディションで、練習に挑むこと。
当たり前ですが、僕自身、視野が狭くなっていたこと、そして、「自分は大丈夫だろう」と、自分を特別扱いしたことが原因と言えます。
今は睡眠時間を優先し、食事の時間が遅くなっても、3食必ず食べるようにしています。
もちろん走行距離は意識しているのですが、それよりも「自分のコンディション」に目を向けるようになりました。
おかげで、復帰してからは、調子よく走ることができております。
何より大切なことは、日々調子が良い状態を保ちながら、距離を重ねたり練習の質を上げる、ということですね。
いかがでしょうか。
皆さまの中でも、同じような悩みを抱えている方がいるなら、少しでも参考になればと思います。
これからシーズンに向けて、さらに練習を積み上げていく皆さまが、体調を崩さずにマラソン大会に挑めることを願っております!
監修者コメント
高山敦史
皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!
本記事のまとめ
- 不調に陥った時は、①オーバーワーク ②栄養不足 ③睡眠不足 を疑うべし!
- ①オーバーワークポイント:練習の強度(距離、ペース、頻度)が、今の自分に合っているか一旦見直そう!
- ②栄養不足ポイント:3食しっかり摂っているか、食事量は十分か確認しよう!
- ③睡眠不足ポイント:睡眠時間は確保できているか、ライフスタイルに無理がないか確認しよう!
- 「自分は大丈夫」は過信!不調に陥る前に対処すべし!
出典
- 【YouTube】タカヤマラソンチャンネル 「長く続く…抜けない疲労の対策方法とは(体験談)」 より