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【暑い時期に走行距離を積める!】暑い時期には必ず取り入れて欲しいトレーニングは?

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.92万人(2024年8月22日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「暑い夏、距離が踏めない人がやるべき練習」がテーマです。

さて、皆さま、まだまだ暑いこの時期、週間天気予報を見てげんなりしている人も多いでしょう。

毎年、お盆を過ぎると、少しずつ涼しくなってはいきますが、この感じだと、暑さのストレスがなくなるのはまだまだ先そうですね。
一説には、9月いっぱいまでこんな感じだとか。

そんな中でも、マラソン大会は待ってくれません。
10月からマラソン大会シーズンがスタートする人は多いでしょう。

今の時期は、「強度を落としてもいいから、距離を走る」。
これが夏の練習のテーマです。

今は、9月からのロング走練習に向けて、身体をしっかり作る時期です。
暑い中でも、練習を途切れさせるわけにはいかないわけです。

「暑いけど、練習量を増やさないといけない」
「けれど暑いから、なかなか距離を踏むことができない」
こういった悩みを抱えている方は多いでしょう。

僕の周りでも、暑さの中で、距離を走っているけれど、疲労を抱えている方が非常に多い印象です。
高強度の練習も、高温の中で、上手くこなせているかが、わからない状態です。

そこで今回は、「疲労を抑えながら距離を重ねていく方法」を紹介していきます!

僕も、今回紹介する方法を、上手く使いながら7月は距離を重ね、8月も今のところ順調に距離を重ねています。
走行距離がすべてではないですが、筋持久力を高めていく観点では、目を背けることはできないでしょう。

今回紹介する方法を、上手く活用して、一番過酷な時期を、一緒に乗り切っていきましょう!

暑い夏に行うトレーニングは「分割走」!

今の時期に行って欲しい練習は、「分割走」です。

「分割走」は、色々なやり方があります。

例えば、
・2部練という形で、朝と夜にジョギングを分ける
・高強度の練習を分割して行う
などの行い方があります。

この分割走は、今の時期に、取り入れることによって、皆さまのトレーニングが、間違いなく円滑に進みます。

分割走のメリット

分割走のおすすめ理由は、一番は「負荷の分散」です。

暑さによる、一番の問題は、「長時間の練習ができない」ことにつきます。

発汗によって、エネルギー消費量が大きくなります。
また、発汗量の多い夏は、発汗によって体内の水分が少なくなることで、血液の粘性が上がってしまい、心拍数が上昇しやすくなります。

体温が上昇しやすくなり、運動をする適正な体温をたやすく超えてくるため、長時間の練習は困難を極め、命の危険に関わることも珍しくありません。

こういった場合、「分割走」で負荷の分散を行います。

分割走例①:2部練習

朝と夜に分けて行うことを、「2部練習」「2部練」と言う事が多いですね。

普段10kmを走っているけど、暑くて10kmも走れない場合、「朝に5km」「夜に5km」と、2部に分けて行うことによって、1回にかける時間を短縮します。
1回の時間自体は短く、短時間で集中して行うことができます。

また、1回の練習の負荷自体も低く、体温が上がり切る前に切り上げられるので、「継続して行いやすい」ことも、勧める理由です。

2部練を行っている方から、「1回で走るよりも、2部練の方が、1日トータルをすれば多くの距離を踏むことができた」という意見をよく聞きます。
1回の負荷を落とせるので、慣れてくると、自分が考えていた予定距離よりも、多く走ることが可能になります。

走行距離を積み重ねて、土台を作りたい今の時期には、負荷の分散ができる「分割走」は絶対に取り入れてほしい方法です。

分割走例②:高強度の分割走

また、「ジョギングの2部練」だけではなく、「高強度の分割走」も今の時期に行ってほしいトレーニングです。

例えば、
・10kmのテンポ走を行いたいが、暑くて明らかにペースを上げられない。
・ペースを落としても、最後までできるかわからない。

こういった場合、10kmを分割して行います。

分割の例を挙げると、
・3000m×3本
・2000×4-5本
・1000×8本
などになります。

一見、インターバル走にみえて、きつそうなのですが、設定をマラソン大会のペース前後、もしくは、もっと落として「行うだけ」でも、高温時のトレーニングとしては十分な負荷になります。

おそらく、今の時期であれば、マラソン大会ペースでの10km走は非常にきついかと思います。

高強度や中強度の練習も、上手く分割にすることで、夏の高強度練習を乗り越えやすくなるでしょう。
逆に、今の暑さの中で、無理に長い距離のテンポ走や、ロングジョグを行ってしまうと、高い確率で走り切れないと思います。

走り切れないだけならまだいいのですが、体温が上昇し、疲労が上手く抜けなくなります。
そうなると熱中症のリスクも跳ね上がります。

小まめに分けて走ることや、十分に休息をとって行うレペティション走などは、暑い時期でもパフォーマンスを安定的に保ちやすく、逆にロングランやテンポ走は今の時期におすすめができないトレーニングと言えます。

分割走のデメリット

しかし、「分割走」にも一応デメリットはあります。

①時間がかかる

1つは、物理的に「時間がかかる」。

ランニングは走る時間だけではなく、準備や走った後にも時間を使います。
ストレッチやシャワーの時間。
女性であればメイクを直す時間など。

2回走ると、準備と後片付けも2回。
そうなると、1回で走るよりも、時間をたくさん使うわけです。

2部練がなかなか定着しない理由で、「そこまで時間が取れない」という理由が多いですが、確かに「時間が必要」であることが、デメリットの1つであり、一番の課題かと思います。

そもそも「2部練を行う時間の余裕がない」という方が沢山いらっしゃいますので、ここが一番難しいところですよね。

②洗濯物が増える

2つ目は「洗濯物が増える」。

これも地味に痛い。
特に家族の方がランニングに理解がないと、かなり白い目で見られます。

我が家は幸い、妻も走りますし、仕事のことは理解してくれておりますので、洗濯物が増えても「今日はよく走ったねー!」という風になりますが、一般的にはそうではないと思います。

後片付けも大変なので、これも「時間がとられる」に繋がりますね。

③分割走だけでは速くならない

3つ目は「分割走だけでは速くならない」です。

これは非常に大切。
まあ、「速くならない」は言い過ぎかもですが。

やはり、分割にせず、1回の走行距離のボリュームを増やしていける方が、練習の効果は高くなります。

「朝晩に10kmずつ」よりも、「1回で20km」走る方が、持久力の強化や、筋持久力の強化に繋がりやすいです。
「テンポ走を5000m×2本」でやるより、「10kmのテンポ走」を行う方が、強化に繋がります。

「分割走」や「2部練」というのは、慣れると非常に楽なのです。
時間を取られるのは取られるのですが、1回の練習のストレスが減って、非常に距離を積み上げやすくなります。

しかし、涼しくなっても、分割走だけでトレーニングをしてしまうと、うまく足づくりができなくなります。
やはり、最終的には、「30km以上のロング走」や、「長い距離のテンポ走」を行わないといけません。

今の時期、「分割走」というのは非常に有効で、トレーニング量を確保するのにはもってこいです。
しかし、「分割走は夏限定」とはいいませんが、マラソン大会に向けては、「1回の走行距離」も必ず意識していきましょう。

暑い夏のトレーニングの考え方

9月以降に、「1回の走行距離が多い練習」をこなせるようにするために、今の時期は「分割走」で、基礎能力を向上させていく、という風に考えていただければと思います。

僕自身も、7月からは積極的に「分割走」や「2部練」を活用し、8月のこの記録的な暑さの中、非常に順調に距離を重ねており、おそらく月間走行距離は400kmを走ることになります。

それが多いか少ないか、人それぞれ感じ方は違うと思います。
しかし、僕の昨年の8月の月間走行距離は300kmでした。

昨シーズンの平均は約300kmなので、400kmというのは、僕の昨年から比較しても、かなり走れています。

走行距離は全てではありません。

ですが、冒頭でもお話した通り、「持久力」や「筋持久力」、これらを強化していく上では、走行距離から目を背けることはできません。
しかし、9月からいきなり走行距離を増やすと、下半身の筋力がついていないので、怪我をするリスクも上がってしまいます。

かといって、8月にがむしゃらに走ってしまうと、特に今の暑さでは疲労がなかなか抜けません。
疲労が抜けないと、「走れない」「体調不良」「怪我」など色々な弊害があります。

8月は、「いかに暑さに負けず、疲労を抜きながら距離を積み上げるか」を考えるのが非常に重要です。

「設定がハードすぎる高強度練習」や「距離が長すぎる高強度練習」や「土台ができていな状態でのロング走」は、オーバーワークに繋がります。

なので、「2部練習」や「分割走」を活用することで、こういったリスクを減らすことができます。
ライフスタイルによっては、「2部練は難しい」というのは重々承知していますが、今日のお話を聞いて、「少しやってみようか」と思ったのであれば、朝30分早く起きるところから始めてみましょう。

けれども、「睡眠時間」は十分に確保できるようにしてくださいね。
やはり睡眠が削られると、疲労が抜けないので、早寝早起きを心がけて、栄養面でもコンディションを整えるようにしてください。

まだまだ暑い夏は続きます。
乗り切るためにも一緒に頑張っていきましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

https://youtu.be/12XtavRbMs0

本記事のまとめ

まとめ
  • 夏の暑い時期に行うトレーニングは「分割走」!
  • 「分割走」は負荷を分散できる!
    ①ジョギングを1日の走行距離を変えず、朝・夕の2回に分ける
    ②高強度走は、距離を分割し、マラソン大会ペース、もしくは、それ以下の強度で行う
  • 「分割走」のデメリットは
    ①トレーニングにかける時間が増える
    ②洗濯物が増える
    ③「分割走」だけではスピードアップは難しい
  • 今の暑い時期は「分割走」で距離を積み上げ、基礎能力を向上させる!

出典

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