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【怪我をしないランニング練習】結果が出るメニュー作成

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.04万人(2024年1月15日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「怪我を防ぐ、結果が出るメニューの組み立て方」がテーマです。

年が明けてシーズン後半に入りました。
「結果を出す!」と気合が入っている人も多いでしょう。

僕もそうです。頑張りましょうね!

ただ、残念ながら、この時期、マラソン大会前に怪我をしてしまった、といった声も少なからずあります。
頑張ってきたのに、怪我をしてしまうのは、本当に残念でなりません。

ランナーにとって一番結果を出す方法は、「練習を継続させること」です。

怪我をすると、練習は確実に途切れてしまう、つまりパフォーマンスを上げにくくなります。

そして走れないと、精神的にもきつくなって、ストレスが溜まり、それはそれで、不健全で不健康です。

だからこそ、怪我は絶対避けたい!
皆さんの足を守りたい!

なので、今回は怪我を避ける練習のプログラムを解説していきます!

とっても大切な内容です。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!

「オーバーワーク」は怪我の原因

まず、怪我の原因は大きく2つ、
①不良姿勢
②オーバーワーク

です。

今回は、「不良姿勢」は割愛し、「オーバーワーク」について解説します。

「オーバーワーク」、つまり練習の詰め込み過ぎですね。
練習の強度が高すぎたり、そもそも練習量が多すぎたりすると、身体の疲労回復と疲労蓄積のバランスが崩れてしまい、怪我に繋がってしまいます。

練習の強度を決めるのは、
・走速度
・走行距離
・走行時間

大きくこの3つです。

「走速度」が速いということは、それだけ強い力を使っている事になります。
ゆえにレースぺースよりも速く走るポイント練習は、身体にかかる負荷が「とても高い」と言えます。

そして走行時間や走行距離ですが、長く遠くに行けば行くほど、脚がおもだるくなってきますよね。
つまり、ゆっくり走っていても、動いている時間が長いと運動強度も上がります。

練習メニューの強度や、走行時間や走行距離を増やすと、確かにパフォーマンスは伸びていきますが、やみくもに増やしたり、ポイント練習の時間を大幅に増やしてしまうと、怪我に繋がります。

メニューを構築する上で大切なことは、
① 自分に合った走行距離や日数で
② 自分に合った運動強度で
③ 無理なく走る

ことです。

各メニューの理想距離や上限走行距離

ではここからは、具体的なメニューの組み方です。

怪我なく効果的なメニューを作成するために必要なことは、各項目の、
・理想距離
・上限走行距離

を知っておくことです。

言葉で並べると難しいかもしれませんね。
これは順番に解説していきます。

① 練習頻度

まず、練習頻度です。

例えば、「完走を目指す方~サブ4を目指す方」であれば、週に3-4回が理想です。

練習の頻度が少ないと、走力が向上しにくくなることはもちろんですが、疲労が回復しにくくなることが一番のデメリットです。

練習頻度や走行距離が増えることによって、毛細血管の量が増えます。
毛細血管が増えることにより、疲労物質の除去能力が大きくなり、疲労回復が早まります。

また、筋関節の強化も促せますので、こちらの観点でも怪我予防になります。

週に1回の練習であれば、確かに怪我はしないかもしれませんが、練習量自体がたりません。
効果を出そうとするならば週に4回の練習量は欲しいところです。

また、「サブ4よりも速くなりたい方やサブ3.5やサブ3を目指していく方」であれば、週5回以上のランニングをお勧めします。

② 走行距離

次に走行距離です。

まずは、走行距離の増やし方です。

これは練習の頻度と似ています。

基本的に、同じことを続けていると怪我の発症率は下がりますが、トレーニングの原理で「オーバーロードの原理」というものがあります。
いつも同じ負荷だと、トレーニング効果は表れにくくなるというものです。

つまり、どんなトレーニングでも体は慣れてきますし、慣れてくると、身体に対する刺激も弱くなってきます。

なので同じ走行距離や同じ走行日数、そして同じ強度で行うと、確かに怪我はしないけど効果も期待できない、という事です。

そしてトレーニングの原則で「漸進性(ぜんしんせい)の原則」というものもあります。

これはトレーニングは同じ負荷で続けるのではなく、徐々に増やしていくことで、効果を高める、というものです。

この「徐々に」というのが大切で、負荷を一気に増やすと速くなるのか、というとそんなことはなく、むしろ疲労が回復しなくてパフォーマンスが落ちたり、怪我に繋がってしまいます。

本末転倒ですね。

なので走行距離は、「徐々に」増やす必要があります。

走行距離は、週間で5-10%ずつ増やしていくことが理想です。

例えば、1週間に50km走っている方であれば、
・次の週は52.5~55kmまで伸ばす。
・その翌週は55~57.75kmまで伸ばす。
というように、徐々に伸ばしていくことで、怪我のリスクを減らしつつ走行距離を伸ばすことができます。

そもそも「走行距離は多い方が良いのか?」という疑問ですが、先ほどの走行日数と同様、走行距離が増えると、毛細血管やミトコンドリアといったエネルギーをつくる組織の数が増えますので、「走行距離は多い方が良い」と言えます。

ただし、走行距離だけではなく、走行日数やトレーニングの強度も一緒に向上させましょう。
先ほどお伝えした「漸進性(ぜんしんせい)の原則」が上手く働きます。

③ トレーニング:距離走

そして次に距離走についてお話します。

皆さまが週末に行う長い距離を走る練習ですね。
脚づくりの練習と言われています。

これは週間走行距離の30%以内に収めましょう。

例えば、
・50kmの人なら15kmまで
・60kmの人なら18kmまで
という事ですね。

つまり、マラソン大会前だからといって、毎週30km走を走ると、怪我のリスクが上がります。
30km走や40km走は、マラソン用の特異トレーニングです。
「マラソン大会対策」の側面が大きい、と思ってください。

あくまで距離走は、日々の積み上げの「基礎トレーニング」という位置づけである事を、忘れないでおきましょう。

④ トレーニング:ポイント練習

最後にポイント練習です。
強度の高いポイント練習も走行距離は決められています。

インターバル走

インターバル走は、「週間走行距離の8%」、または、「10km」の少ない方が上限です。
つまりどれだけ多くても10kmまでです。

ただし、クルーズインターバルのような、設定を少し落として距離を走るインターバルは、「もう少し走れる」というのが僕の持論です。
後に説明する、LTトレーニング近くは走れるのではないかと思います。

レペティショントレーニング

レペティショントレーニングの上限は、「週間走行距離の5%未満」です。

LTトレーニング

そしてLTトレーニング、閾値トレーニングの上限は10マイル、つまり16km程度です。

個人的に、LTトレーニングや、インターバルトレーニングは、限界まで追い込むよりも、追い込まずにやり切れる運動強度と距離設定にします。

マラソンシーズンとトレーニング種類

マラソンの特異的なところをみると、いかに「疲れずに42kmを走り切るか」、つまり「楽に走り続けること」が重要です。

ぎりぎりまで自分を追い込む練習も大事ですが、こと今の時期に関しては、余力を持ちながら走る、つまり、楽に走ることの重要度が増しています。

マラソンシーズンが遠い時期は、レペティション走やショートインターバルで自分の出力自体を上げて、限界値を上げていくトレーニングを行います。

マラソンシーズンが近くなってきたら、LT値やロングインターバルで、レ―スペースやレ―スペースより速いスピードでも楽に走ることを心掛けるトレーニングに切り替えていきましょう。

なので今のシーズン中は、ロングインターバルやLTトレーニングがメインになりますね。

「じゃあ、レペティションやショートインターバルトレーニングは、全くしなくていいのか?」というと僕はそうは思いません。
ショートインターバルなどもたまには取り入れて、スピードを上げていく動きも必要と考えています。

ただ、がっつりメニューに取り入れるのもいいですが、ジョグの後の流しや、LTトレーニングの後に200m×5本などを入れるだけでも、スピードの切り替えのトレーニングになります。

そうすることで、スピードを上げる「身体のキレ」は残すことができます。
こういった工夫をメニューの中に入れてあげましょう。

各項目のまとめ

まとめると、
・練習頻度:完走目的で有れば週3-4日
      今よりももっとタイムのこだわりたいのであれば、週5日以上が望ましい
・走行距離:週間で5%ずつ増やしていく。多くても10%まで
・距離走:週間走行距離の30%まで
・インターバル走:週間の8%、もしくは、10キロの少ない方
・レペティショントレーニング:週間走行距離の5%未満まで
・LT走:10マイル(16km)前後

こういった前提をもとにメニューを構築していきましょう。

メニュー例

前提を基に、週間50km走っていてサブ4を目指す方のメニューはこんな感じです。

月 OFF
火 ジョグ10km
水 1000m×5本インターバル
木 OFF
金 ジョグ10km
土 10kmLTペース走
日 15km距離走

いかがでしょう。

これはサブ4を目指す方用のメニューですが、基本的な考え方は、どんな方でも一緒です。
サブ5を目指す方、サブ3を目指す方でも、です。

メニューに悩む皆様の参考にしていただければと思います。
距離の増やし方や、各メニュー、インターバル走やペース走に関して「詳しく知りたい!」という場合は、ぜひ過去のコラム記事を参考にしてください。

シーズン後半です。
ここからコンディションを上げて、納得のいくレースを展開できるよう、1日1日を大切にしていきましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • オーバーワークは怪我のもと。①自分に合った走行距離や日数で ②自分に合った運動強度で ③無理なく走る ことがメニュー作成の基本
  • メニューは各項目の「理想距離」や「上限走行距離」を前提にして作成すること
    また、練習量を増やすときは「徐々に」「色々なトレーニング強度」を向上させること
  • どんな方でもメニュー作成の基本は同じ。メニュー例を参考に自分に合ったメニューを構築すること

出典

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