肩のテーピングの目的と巻き方、各種注意事項を解説!
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丸山里夏
プロ・フィッツ テーピングインストラクター、NESTA PFT認定トレーナー
略歴
園田学園高等学校・園田学園女子大学卒業。(テニス部所属)2014年、奥アンツーカ入社。テニスコーチを経験。2018年、ピップ株式会社に入社。テーピングインストラクターとしての活動を開始。2021年5月末現在、テーピング施術人数:1,045名、テーピングセミナー受講者数:約2,300名。
資格
NESTA パーソナルフィットネストレーナー
監修者コメント
丸山里夏
肩を大きく動かす野球やバレーボールは、脱臼などの怪我をする恐れがあります。
脱臼は、肩の可動域を超えてしまうことで起きます。
キネシオロジーテープや自着式テープなどのテーピングには、関節の可動域を制限する働きがあるので怪我の予防などに役立ちます。
そのため、肩などを怪我しやすいスポーツをする際には、テーピングを活用することをおすすめします。
テーピングを正しく活用するためには、テーピングをする目的や正しい巻き方について知っておくことが大切です。
本記事では、テーピングをする目的や正しい巻き方などについて解説していきます。
肩のテーピングの目的とは?
肩のテーピングには怪我の予防、応急処置、再発防止、痛みの軽減、ストレスの軽減の5つの目的があります。
以下で、肩のテーピングの目的についてそれぞれ詳しく解説していきます。
怪我の予防
肩のテーピングは、関節周りにあらかじめ巻いておくことで怪我の予防につながります。
運動をする際などに、関節の可動域を超えて負荷をかけてしまうと、脱臼などの怪我を引き起こしてしまう可能性があります。
そのため、テーピングを関節周りに巻くことで関節の可動域を制限し、怪我を未然に防ぐことができるのです。
関節周りの怪我以外にも、外傷を防ぐ働きもあります。
関節を多く使うスポーツや、怪我を予防したい時にはテーピングを利用してみることをおすすめします。
怪我の応急処置
肩のテーピングは怪我の予防以外に、怪我の応急処置をすることも可能です。
例えば、野球肩や脱臼などの怪我をした際の基本的な応急処置方法にRICE処置があります。
RICE処置とは、Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字をとった処置方法です。
その中の「圧迫」についてはキネシオロジーテープや自着式テープで対応することが出来ます。
なお、テーピングでの処置はあくまで応急処置なので、必要に応じてかかりつけの医師に相談するようにしましょう。
怪我の再発防止
関節周りは、一度怪我をしてしまうと再発しやすくなってしまいます。
そのため、一度怪我をした部位はテーピングで補強をして関節周りの負担を軽くしてあげることが大切です。
同じ箇所を何度も怪我してしまうと大きな怪我になりかねませんので、しっかりとテーピングを巻いて再発防止を心がけましょう。
痛みの軽減
肩のテーピングは、痛みの軽減という役割も果たします。
例えば、肩関節を脱臼してしまうと、該当部位を動かすたびに痛みが伴います。
そんな時には、肩のテーピングで関節の可動域を制限することで、痛みを軽減することができます。
関節部分を怪我してしまった際には、放置せずテーピングを巻くなどの対処をすることが大切です。
ストレスの軽減
肩関節の脱臼などの怪我は、再発しやすいともいわれています。
「また同じ怪我をするかもしれない」と思うと、怖くてスポーツに挑めないという方も多いでしょう。
そんな時には、再発防止のために肩にテーピングを巻くことで、ストレスを軽減することができます。
このように、肩のテーピングには、怪我の予防やサポート以外にもさまざまな目的があるのです。
監修者コメント
丸山里夏
テーピングをする目的には、怪我の予防だけではなく痛みやストレスの軽減もあります。
正しくテーピングを利用するためにも、5つの目的を覚えておくことが大切です。
肩を怪我しやすいスポーツって?
テーピングは、肩などの関節周りの可動域を制限することで、怪我の予防など幅広く活躍します。
肩が怪我しやすいスポーツについて紹介していきます。
野球
野球は力強く投球する動作があるため、肩を怪我しやすいスポーツです。
野球に多くみられる肩の怪我に、野球肩が挙げられます。
野球肩とは、ボールを投げる時に肩関節周りに生じる痛みの総称であり、バレーボールやテニスなどの競技でも発症します。
肩関節は、全身の関節の中で最も可動域が大きく、多くの筋肉や靭帯が組み合わさっている関節です。
そのため、ボールを投げ続けるなどして肩関節に負担がかかると、筋肉や骨が擦れて炎症を起こしたり、靭帯を損傷するなどの怪我に繋がります。
このような怪我を予防するためにも、テーピングを使って肩関節の可動域を制限することが大切です。
バレーボール
バレーボールのアタックの動作は、肩の関節を大きく動かして力強くボールを打つため、肩に負荷がかかります。
バレーボールに多くみられる肩の障害に、ルーズショルダー(肩関節不安定症)が挙げられます。
ルーズショルダーとは、スポーツで肩を酷使することで筋肉や靭帯が擦れ、肩関節の固定力が緩くなってしまう障害です。
少しの動きでも痛みを感じたり、肩に違和感が続いたりするという症状があり、脱臼しやすくなってしまうため注意が必要です。
運動前にテーピングを巻いておき、少しでも怪我のリスクを減らすよう心がけましょう。
テニス
テニスは、ラケットを大きく振ってボールを打ち返す動作があり、肩に負担がかかりやすいスポーツです。
テニスでよくみられる怪我に、テニス肩が挙げられます。
野球肩と同じく、肩を酷使することで筋肉や骨が擦れて炎症を起こし、痛みが生じる怪我です。
痛みを我慢して肩を動かすと炎症が悪化してしまうため、病院で診察を受け、ストレッチやフォームの見直しなどの適切な処置をするようにしましょう。
また、普段からテーピングを活用することで肩関節の可動域を制限し、怪我を予防することも大切です。
バスケットボール
バスケットボールは、パスやシュートなどの動作や、ディフェンスなどで相手と接触する場面があり、肩を怪我しやすいスポーツです。
例えば、ゴールへ向かってドリブルをしている時にディフェンスに止められ、相手に肩をぶつけて脱臼してしまうなどの怪我が多くみられます。
脱臼とは、関節でくっついている骨の位置がずれて外れてしまうことを指し、痛みや変形、関節の可動域が制限されるなどの症状があります。
脱臼は繰り返しやすいともいわれており、寝返りやくしゃみなどの衝撃で脱臼してしまうケースもあります。
このような怪我を防ぐためにも、テーピングを活用することを習慣にしましょう。
監修者コメント
丸山里夏
野球やバレーボールなど、肩を大きく動かすスポーツでは脱臼やルーズショルダーなどの怪我が多くみられます。
脱臼などの怪我は繰り返しやすいといわれているため、テーピングで怪我を防止することが大切です。
軽い衝撃でも発症しやすい「腱板損傷」とは?
腱板損傷とは、物を持ち上げた時や転びそうになって手すりを掴んだ時など、肩に衝撃が加わった際に、肩の腱板筋群のスジが切れてしまう怪我です。
腱板筋群は、肩の筋肉と骨がくっついている部分にあり、痛みを感じたり、肩が上げられなくなるケースもあります。
また、腱板損傷は加齢が原因で突然生じる場合もあり、四十肩や五十肩と間違えやすいといわれています。
症状に大きな違いがなく判断が難しいため、痛みが長引いている場合は病院で診察を受けましょう。
また、腱板損傷の治療では、肩関節を支えて楽に動かせるよう、テーピングで可動域を制限する場合があります。
監修者コメント
丸山里夏
腱板損傷は、肩に大きな負担がかかる動作をした時だけでなく、物を持ち上げるなどの軽い衝撃でも生じる怪我です。
腱が切れてしまうと肩関節の安定性が損なわれるため、怪我の予防や応急処置をするためにも、正しいテーピングの巻き方を習得しておきましょう。
肩の怪我を防止するためのテーピングの巻き方
野球やバレーボールなどの肩を使うスポーツでは、脱臼などの怪我が多くみられます。
そんな時に、肩の怪我を未然に防いだり迅速な応急処置をするためにも、正しいテーピングの巻き方を知っていることが大切です。
そこで今回は、肩の怪我を防止するための正しいテーピングの巻き方について解説していきます。
今回は、肩の怪我を防止するためのテーピングの巻き方について解説をしましたが、怪我をした場合の肩のテーピング方法は異なる場合があります。
以下で、肩に対してのテーピング方法を動画でも紹介しているのでぜひご覧ください。
監修者コメント
丸山里夏
肩の脱臼などの怪我は、関節の可動域を超えて負荷をかけてしまうことによって引き起こされます。
そのため、スポーツをする時はテーピングで関節部分の可動域を制限し、怪我のリスクを減らすことが大切です。
今回は、肩の怪我を防止するためのテーピングの巻き方を紹介しましたが、脱臼や野球肩など怪我によって適切な巻き方は異なるので注意しましょう。
また、肩の痛みが続くようであればかかりつけの病院で相談するようにしてください。
肩のテーピングをする際の注意点
テーピングには、関節周りの可動域を制限する役割があります。
関節周りの動きを制限することで、怪我の予防や応急処置、再発予防などの働きが期待できます。
ですが、長時間同じテーピングを使用し続けると、かぶれるなどの問題を引き起こす可能性もあります。
以下で、テーピングを使用する際の注意点について解説していきます。
テーピングは人に貼ってもらうこと
肩のテーピングは、肩の後ろ側や首などにも貼るため、自分の目で確認しながら貼ることが難しいです。
テーピングをしっかり伸ばすことができず緩んでしまうと、正しく巻けないことがあります。
そのため、肩のテーピングは人に貼ってもらうようにしましょう。
長時間同じテーピングを貼りつづけないこと
テーピングは肌に直接触れるものなので、汗や泥などの汚れがついたまま長時間過ごしてしまうと、かぶれなどの原因となってしまう可能性があります。
また、汗をかくことで、皮膚内の水分が蒸発して乾燥してしまうため、肌のバリア機能が下がってしまいます。
肌のバリア機能が下がっている状態で、長時間泥などが付着したままでいると、肌が傷ついてかぶれてしまうのです。
テーピングを綺麗に保つためにも、こまめに取り替えるようにしましょう。
強く巻きすぎないこと
肩など関節周りの可動域を制限するテーピングですが、強く巻きすぎてしまうと血行不良の原因となってしまいます。
また、関節が締め付けられることで負荷がかかり、ストレスを感じてしまう可能性もあります。
テーピングは、可動域を完全に無くすためのものではないので、目的に応じて適切な力加減で巻くように心がけましょう。
テーピングを巻いた際に痺れが生じたり、肌の色が変わっていたりする場合、強く巻きすぎている可能性があるので、テーピングを巻く際の力加減には注意が必要です。
監修者コメント
丸山里夏
肩のテーピングは自分の目で確認しづらいため、人に貼ってもらうことをおすすめします。
また、テーピングは肌に直接触れるものなので、汗や泥が付着したまま長時間過ごしてしまうと、肌が汚れてしまいかぶれることがあります。
肌を綺麗に保つためにも、テーピングが汚れたり濡れたりしたらこまめに取り替えるなど、巻く強さだけでなく衛生面も意識してテーピングを使うようにしましょう。
おすすめのテーピングを紹介!
上記では、テーピングをする意味や効果、巻き方とその注意点に関して解説をしてきました。
しかし、テーピングにはたくさん種類があるため、何を基準に選べば良いのか、おすすめのテーピングは何か、分からないことが多いかと思います。
以下で、目的別におすすめのテーピングを紹介します。
プロ・フィッツ キネシオロジーテープ 快適通気
まずご紹介したいのが、「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ 快適通気」です。
「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ 快適通気」は、通気性に優れていてムレにくく、また、撥水加工がされているので汗や水に強いことが特長です。
キャッチボールなどの軽い運動をする際には、「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ 快適通気」をぜひお試しください。
プロ・フィッツ キネシオロジーテープ しっかり粘着
次にご紹介したいのが、「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ しっかり粘着」です。
「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ しっかり粘着」も、汗や水に強いことが特長です。
また、厚手の生地でしっかりサポートしてくれるので激しく動くスポーツにおすすめです。
長時間に及ぶスポーツや、激しい動きが伴う際には、「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ しっかり粘着」をぜひ試してみてください。
監修者コメント
丸山里夏
「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ 快適通気」と「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ しっかり粘着」は撥水加工が施されているので、汗や水に強いことが特長です。
スポーツの強度や怪我の度合いに合わせて、テーピングを選ぶようにしましょう。
肩を使ったスポーツをする際には、テーピングを巻いて安全にスポーツを楽しみましょう。
本記事のまとめ
- 肩のテーピングの目的は、「怪我の予防」「怪我の応急処置」「怪我の再発防止」「痛みの軽減」「ストレスの軽減」があります。
- 肩を怪我しやすいスポーツは、「野球」「バレーボール」「テニス」「バスケットボール」などが挙げられます。
- 軽い衝撃でも起こりうる「腱板損傷」という肩の怪我があります。
- 肩をテーピングする際には、「人に貼ってもらうこと」「テーピングの装着時間」と「テーピングの巻き加減」に注意しましょう。
- 肩におすすめのテーピングは、「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ 快適通気」「プロ・フィッツ キネシオロジーテープ しっかり粘着」です。
あなたへのおすすめは?
プロ・フィッツ
キネシオロジーテープ しっかり粘着
厚手の生地がしっかり貼りついてはがれにくいから、長時間のプレーや練習、激しい動きが伴うスポーツやコンタクトスポーツにおすすめ
筋肉のサポートから関節の固定まで、目的や部位の状態に応じて多様な使い方ができるキネシオロジーテープです。
プロ・フィッツ
キネシオロジーテープ 快適通気
通気性に優れた素材で肌に優しく、ウォーキング、ランニングやハイキング等の軽運動におすすめ
筋肉のサポートから関節の固定まで、目的や部位の状態に応じて多様な使い方ができるキネシオロジーテープです。