【市民ランナー必見!】マラソン大会の基礎作りに最適な、「コスパ最強トレーニング」はこれ!
高山敦史
パーソナルトレーナー
インフルエンサー
略歴
某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.58万人(2024年5月13日時点)
資格
JATI認定トレーニング指導者
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監修者コメント
高山敦史
今回は「市民ランナーに絶対やってほしい、コスパ最強トレーニングとは」がテーマです。
いかにもキャッチ―なテーマで、食いつきがよさそうですね(笑)
しかし、この「コスパがいい」というのは非常に重要です。
ちなみに「コスパがいい」というのは、かけた「費用」、つまり「金額」に対して、「得られる成果が大きい」という事です。
対する最近出てきた「タイパ」という言葉があります。
「タイムパフォーマンス」の略ですね。
これは、かけた「時間」に対して、「得られる成果が大きい」というものです。
これから見ると、「コスパのいい練習」ではなく、「タイパのいい練習」と言うのが正しいですね。
さて、この「かけた時間に対して得られる成果が大きい」ことは、我々市民ランナーには非常に重要です。
多くの方が、仕事に家事、育児というものがあって、趣味としてランニングを始めています。
その隙間時間から、さらに限られた時間を捻出し、練習をしていく必要があります。
実業団選手のように、練習がメインではないので、「かけた時間に対する、得られるもの」に対して、我々市民ランナーこそ追及が必要です。
今回は、その中でも抜群に、「パフォーマンスが良いもの」をご紹介していきます。
市民ランナーの皆さまのマストトレーニングとして、ガンガン行ってほしいと思っています。
それでは一緒に学んでいきましょう。
「コスパのいい」トレーニングとは?
コスパのいいトレーニングとは。
それは結論「中強度走」です。
主に、「練習」はシンプルに
・低強度走
・中強度走
・高強度走
の3つに分けられます。
皆さまがされている練習に例えると、
・低強度走は「ジョグ」
・中強度走は「速めのジョグ」
・高強度走はインターバルやテンポ走などの「ポイント練習」
だと思ってください。
トレーニングは、この3種類のトレーニングを「全てバランスよく」行い、疲労と向き合いながら実施していかないといけません。
「何が優先」ではなく、「全てのトレーニングをバランスよく」行っていくことが重要です。
しかし、先ほどもお伝えした、我々市民ランナーというのは、時間との向き合い方も非常に重要です。
どれだけランニングに向き合っていても、それでお金を稼いで、ご飯を食べているわけではないので、優先順位は「2番」「3番」が当たり前です。
時には、「練習時間が全く取れない」こともあるでしょう。
そういったときに、「少しの時間で効果を最大化させるトレーニング」というのは、必要です。
「時間効率」は、我々市民ランナーだからこそ、向き合って常に考えていかないといけない項目です。
そこで冒頭に戻りますが、「コスパが高いトレーニング」が「中強度走」ということです。
強度の目安を簡単に言うと、
・低強度走は「翌日には疲労が回復している」強度
・中強度走は「翌日に疲労を溜めない」強度
・高強度走は「翌日に疲労を持ちこす」強度
になります。
低強度走、中強度走の有効性については、こちらで解説しております。
また、高強度走については、こちらで解説しております。
合わせて読んでいただけると、より理解が深まりますでの、是非ご覧になってください。
中強度走の特徴
中強度走の良さは、「市民ランナーに欠けているものを、補ってくれる練習」だと考えています。
市民ランナーの多くは「筋持久力不足」で悩む方、つまり前半をオーバーペース気味に突っ込んでしまい、後半失速する方が多い印象です。
持っているスピードに対する「筋持久力」や「スピード持久力」が足りていない、ということですね。
この理由に関しては、当然ながら、「これらを補う練習ができていない」と言えます。
「筋持久力」を補う練習は、「低強度走や中強度走を繰り返し行う」ことによって、身に着けることができます。
つまり日々の「ジョギング」や、その延長線上にある「1回の走行距離が長い練習」、つまり「ロング走」を「低-中強度走」で行うことが必要です。
こう言うと、低-中強度走が「非常に大事」だということがわかると思います。
その中でも、中強度走の特徴をあげると、
・楽ではないけど疲れない強度で走る。
・タイムは大まかに決めるが、そこまで拘らない。
・翌日に疲労を残さない。つまり毎日でも可能。
・低強度走よりタイムが速いので、低強度走よりもトレーニング効果が高い。
が特徴になります。
1つ補足ですが、「中強度走は疲労を持ち越さない」といっても、運動時間が増える、つまり距離が増えていくと、「疲労は残る」というところだけは覚えておきましょう。
これらの中強度走の特徴は、「きついトレーニングではないので、ストレスなく運動できる」ことに繋がります。
そこまできつくないので、気持ちの面でもリラックスして練習ができます。
そして、大まかなタイム設定は決めますが、インターバル走やテンポ走と違って、ガッツリ設定を決めるわけはないので、そこまで時計を見ながら走ることもありません。
疲労を持ち越さないのに、低強度よりも「トレーニング効果が高い」という点に関しても、「コスパがいい」、つまり、「費用対効果が高い」といえます。
また、低-中強度走では、
・筋持久力
・心筋、つまり、心肺機能
・有機的代謝機能
これらを強化できます。
中強度走は、長距離ランナーに必要なこれらの能力を、「一番コスパよく強化できる」ということです。
ちなみに、「有機的代謝」というのは、「長距離を走るために必要なエネルギーを産み出す機能」と思ってください。
この、有機的代謝機能が上がれば、長距離を走る能力が向上します。
また、中強度走の特徴として、「疲れないフォームの上限値」という見方もできます。
「脱力した状態で最も速く走ることができるフォーム」です。
こういう点もあって、中強度走は疲れがたまらないのですが、この中強度走を繰り返し行うことによって、身体の力を抜いたフォームを身に着けることができ、ランニングエコノミーの改善につなげることができます。
僕自身も中強度走を行うときの目安として、「頑張らずに一番速く走る」というイメージで走っています。
こう見ると、中強度走は非常に有効であり、基礎作りの今の時期にもってこいのトレーニングと言えます。
「コスパのいい」トレーニングの落とし穴
でも実は、落とし穴もあります。
落とし穴①:疲労が抜けない人がいる
1つは、「疲労が抜けない人がいる」。
中強度走の定義として、「疲労はたまらないが、抜ける強度じゃない」とお伝えしました。
そして、いくら中強度といえども、20km以上走ると後半は結構きついです。
特に「中強度」という概念に慣れていないと、頑張ってしまう方もいらっしゃいます。
時計を見る習慣が強い方はなおさらかもしれません。
落とし穴②:中強度走しかしない
2つめは、「中強度走しかしない」。
いくらコスパのいいトレーニングだからといって、中強度走だけだと、走力の向上は止まります。
最初はいいかもしれませんが、同じトレーニングを繰り返していくと、身体が刺激に慣れてしまい、トレーニングの効果を得られにくくなります。
自分の状態に合わせたトレーニングを
この2つの注意点を見たときに、共通して言えることがあります。
それは、いくら「コスパがいい」と言っても、そのトレーニングだけでは、いけないということです。
疲労が溜まった状態であれば、必要なことは、「低強度走」や「リカバリー」を入れて身体を回復させること。
トレーニングの成果を感じなくなったのであれば、高強度の練習もトレーニングに組み込み、練習に「メリハリ」を持たせることです。
「練習の中心を中強度走に置く」ことと、「とにかく中強度走だけ行う」というのでは、練習の取り組みは全く変わってきます。
「自分の状態をしっかり把握」した上で、トレーニングメニュー作成することが非常に重要であることを、必ず頭に入れておきましょう。
中強度走の設定ペース
最後に、中強度走の設定ペースです。
あくまでタイムは目安ですが、「目指すレースペースの30秒遅いくらい」を目安にしましょう。
あくまで目安です。
体感的には、「きつくもなく楽でもない」、「リラックスして走れる最大速度」というイメージです。
タイムを気にしすぎると、力みにつながる方も多いです。
なので、あくまでタイムは目安で考えて、自分の体感を大事にしていただくのがいいかと思います。
「ジョグの日を中強度」に、「休息日の前は中強度のロング走」をすることで、練習の質を高めることができるでしょう。
トレーニングや仕事や日常を含め、疲労がたまっている時は無理して中強度にせず、低強度走に切り替えても問題はありません。
非常にいいトレーニングですが、何度も言うように、「自分の体の状態に合わせて」、メニュを決めていくようにしましょう。
いかがでしょう。
市民ランナーの皆さまにこそ抑えてほしい、この「中強度走」。
基礎作りの今だからこそ、積極的にとりいれましょう!
監修者コメント
高山敦史
皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!
本記事のまとめ
- コスパのいいトレーニングは「中強度走」!
- 中強度走は、「頑張らずに走るトレーニング」なのに、低強度走より効果が高い!
- 中強度走は、マラソン大会に必要な「筋持久力」「心肺機能」「有機的代謝機能」を効率よく強化できる!
- 中強度走のペースは、目安として、レースペースより30秒遅いペースで行おう!
- コスパにとらわれず、自分の身体の状態をしっかり把握した上で、状態に合ったトレーニングメニューを作成すること!
出典
- 【YouTube】タカヤマラソンチャンネル 「【市民ランナー必見】コスパ最強トレーニングはこれ!」 より