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【マラソン大会後半攻略トレーニング!】正しいロング走のやり方

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数10万人(2024年9月30日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回はは「夏以降、マラソンで結果を出すための距離走」がテーマです。

さて、皆さま、暦の上では秋ですね。
かといって日中はまだまだ暑いです。
朝と夜はずいぶんと過ごしやすくなったなあ、とは感じているわけですが。

日本の夏は長くなったなあ、と感じると同時に、秋の気配を感じるこの「中間」の季節が好きだったりします。

中間の季節ということで、マラソントレーニングも「中間」のような季節ですね。

夏の暑い時期を抜けて、徐々にマラソンに対して気持ちが強くなってくる時期です。
マラソン大会からまだ遠いけど、微妙にマラソン大会を意識する「この時期」は嫌いではないです。

やはりこの時期から皆さまが意識をすることは、「長い距離」のトレーニングです。
「ロングラン」ですね。

今回は、「マラソン大会に向けてのロングラン」の正しい解説を行っていきます。

夏に頑張ってトレーニングを積み上げた方も、「秋以降のトレーニングのやり方」で、マラソン大会で結果を出せるか大きく変わってきます。

夏のトレーニングをマラソン大会の結果に繋げるためにも、非常に重要な時期です。

ぜひ一緒に学んでいきましょう!

マラソン大会に向けた特異的なトレーニング:ロングラン

まず、9月以降は「移行期」と呼ばれ、マラソン大会に向けての「特異的」なトレーニングに移行していく大切な時期になります。

ここで、「マラソン大会の特異的なトレーニング」と言うと、思いつくのは「ロングラン」ですね。

個人的には苦手なトレー―ニングですが、この「ロングラン」を「どれ位積み重ねることができるか」、というところで、マラソン大会の結果は大きく変わってくると言えます。

総走行距離、週間や月間走行距離というのは非常に重要なのですが、マラソン大会に向けては、「1回」の走行距離を伸ばしていくことは非常に重要なポイントになります。
そして「ロングラン」のトレーニングは、1回で完結するものではなく、「段階的」に負荷を増やし、回数を「積み重ねて」いくものになります。

1回だけ30km走を行うや、1回だけ40km走を行っても、意味がないとは言えませんが、マラソン大会に対して強化できているか、というのはとても微妙なところですね。

ロングランの距離は?

人によって、「ロングラン」に対しての、「距離」の考え方は違います。

例えば、「普段5kmしか走らない方」は、「10km」でもロングランですし、「10kmまでしか走ったことがない方」は、「20km」もロングラン、と言えます。

しかしながら、マラソン大会は「距離」が決まっている競技です。
初心者の人のフルマラソンは20kmで、1年競技に取り組んでいる人は42km、というわけではなく、等しく「42.195km」です。

なので、どんな人であれ、「42.195km用のトレーニング」、すなわち「ロングラン」は必要なわけです。
人によって距離は短くていい、という事ではないのですね。

個人的に思うのは、マラソン大会に対しては、「25km以上のロングラン」を積み重ねていくことが重要かと思います。
ハーフマラソンの距離以上のトレーニングを何回できるか、というところでしょう。

なので、マラソン大会の完走に向けてトレーニングをされている方でも、マラソン大会で記録を伸ばしていきたい方も、体力や経験の差はありますが、等しく「25km以上のロングラン」に取り組まなければいけません。

ロングランのポイント

「ロングラン」は、主に「下半身の筋持久力の強化」が目的になります。

また、マラソン大会においては、
・マラソン大会後半の足攣り対策
・マラソン大会後半の失速対策

この2つの対策の「基本」の「き」となるのが、「筋持久力強化」、つまり「ロングラン」なのですね。

「ロングラン」が必要な理由は、こんなところですね。

この「ロングラン」を行うために、いくつかポイントがありますので、それを紹介していきます。

ポイント①:最後まで失速しない

まず「ロングラン」を行う上で一番大切なことは、「最後まで失速しないこと」。

これはどんな練習でも、どんな距離でも一緒です。
「インターバル走」でも、「テンポ走」でも、「ジョギング」でも、そして「ロングラン」でも、最初に決めたメニューを「やり切る」という事がとても大切です。

これに関しての理由は、途中でDNF(Did Not Finish)してしまうようなメニューは、そもそも設定ペースや距離設定に「無理がある」という事です。
強度が高すぎて疲労を貯めてしまうリスクや、怪我をしてしまうリスクも上がってしまいます。

パフォーマンスアップの観点で見ても、最後までやり切れない場合、例えば
・「1000m×8本」を5本でやめてしまったり
・「10km」のテンポ走を5kmでやめてしまったり
・「30km」のロングランの予定がオーバーペースで、20kmで終わってしまったり
すると、予定していた量をこなせず、強化に繋がりません。

途中までやり切れたから、という考えを持つかもしれませんが、こういった事を繰り返すと「失速癖」や「あきらめ癖」がついてしまいます。
つまり、しんどいところで粘れず、失速してしまうのです。

この、「負け癖」を練習でつけないためにも大切なことは、練習からちゃんと「やり切れる設定」で、「遂行」することです。

ポイント②:最後までやり切れる距離とペースから始める

どんなトレーニングでも、最初は余裕をもったペースで始めても、心拍のドリフト現象により、トレーニング後半は心拍が上がって、適切な強化に繋がります。

これは、「ロングラン」も同様です。
まず「ロングラン」の導入初期、まさに今の時期は、確実に「やり切れる」距離と設定ペースで行うようにしましょう。

「ジョギングと同じペース」で、距離を「5km伸ばす」くらいから始めても、十分です。
ロングランの基本的な概念、もっと言うと、トレーニング全体の概念、「最後までやり切れる距離とペース」というところから導入していきます。

いきなり、「30km走を行う」、「レ―スペースで20km走を行う」必要はないわけです。

特にこの導入の時期に大切なことは、「自分ができる距離」、そして「できる設定ペース」で行うようにしましょう。

「準備」や「心構え」が一番大切という事です。
そうすることで、「ロングラン」に対しての精神的なプレッシャーを減らすことができます。

ポイント③:「距離」と「設定ぺース」を同時に上げない

「ロングラン」のゴールは、「35km以上」の距離を、「レースペースよりも30秒ほど遅いペース」で「重ねて」走ることです。

この辺りまで、「段階的に」強度を上げていくのが「ロングラン」のやり方になります。

ここで注意していただきたいのは、「距離」と「設定ペース」は「同時に上げない」ということです。

まず、大前提として、「ロングラン」というのは非常に強度が高いトレーニングと認識してください。
運動時間が長くなるにつれて、なんてことないペースが、後半全く余裕がないペースに変わる、という経験は皆さまもあると思います。

余裕を持ったペースでも、強度が高いトレーニングになるのが、「ロングラン」です。
なので、「設定ペース」と「走行距離」を同時に上げることは、一気に強度が上がることになります。

これは、疲労を持ち越して、「怪我のリスク」を上げてしまうことになりますので、避けるようにしてくださいね。
今の時期のケガは本当に厄介なので。

ロングランのトレーニング強度の上げ方

ロングラン:開始時の強度設定について

始めは、「設定ペースを変えず」に、「徐々に走行距離を伸ばして」いき、距離に対する「不安」や「恐怖」を消していきます。

この「距離」に対する不安や恐怖というのは、やはり慣れの部分が大きいです。
ここに慣れるまでは、「ペースを上げる」ことは頭の中から消しておきましょう。
距離の不安が消えていくまで、何度も繰り返すことをお勧めします。

例えば、今までは15kmが最長距離という方は、まずは、20km前後から始めます。
設定強度も、低強度走で十分です。

ロングラン:ペースについて

30kmや35kmを走ることに、ストレスがなくなってきたら、「徐々に設定ペースを上げて」いきます。

ここで、「どこまでペースを上げていくのか?」という話になりますが、「レ―スペースの30秒遅いペース」位で個人的には十分です。
さらに上げるとしても、まあ、「レ―スペースの20秒遅く」位でしょう。

「レースペース」で行う必要はないです。

前述したペースでロングランを行っていけば、翌日のダメージも抑えることができますので、練習の積み上げも行いやすく、また、怪我のリスクも減らすことができます。

中には、距離を走ることが慣れなくて、ペースを上げることができない、という方もいらっしゃいます。

僕個人の意見ですが、無理にペースを上げるよりも、自分のこなせる強度設定で、「回数を積み重ねる」ことが大事だと思っています。

なので、設定ペースをなかなか上げられない、というかた方は、「ストレスを感じ過ぎないペース」で「回数を積み重ねて」いくようにしましょう。

まとめますと、ロングランの考え方は
①まず1回の走行距離を徐々に増やす
②そしてその頻度を上げていく
③最後にペースを上げていく

ことになります。

「まずは量を重視する」と覚えていただければいいかなと思います。

ロングラン:ペースを上げる時期について

では、どれくらい前からロングランの「質」、つまり「ペース」を上げていけばいいのか?
というと、僕の感覚値ですが、「勝負レースの1ヶ月半前」位かなと思っています。

・10月末にレースがあるなら9月半ばから
・11月半ばなら10月から
・12月頭なら10月半ばから
というイメージです。

あくまで僕の感覚値ですが。
「段階を踏んで」いけるように、ロングランは「計画的」に行いましょう。

そう、計画的に慎重に行うことで、ロングランはより効果が望めます。
逆に、場当たり的なロングランだけだと、レースを攻略することは難しいです。
それどころか、怪我のリスクも出てきます。

大切なことは、「計画的なトレーニングプランを組んで、慎重に無理なくトレーニングを進めていく」ことです。

9月に入って、マラソンモードに入っている方も非常に多いですが、だからこそ慎重に足を作っていくようにしましょう。
9月と10月は、秋に一番走力を伸ばせるタイミングです。
同時に、夏の疲れが出やすい時期でもあります。

なので、自分の体と向き合いつつ、慎重にトレーニングを重ねていくようにしましょう。

1回の練習で一喜一憂することなかれ。
計画的に積み重ねていきましょう!!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

https://youtu.be/R7oCjJD0kW0

本記事のまとめ

まとめ
  • マラソン大会後半の「足攣り」や「失速」対策には、筋持久力を強化する「ロングラン」を行うべし!
  • 【ロングランのポイント】
    ①最後まで失速しないこと!失速しないペースで遂行すべし!
    ②「ジョグペース、伸ばす距離は5km」からでも大丈夫!最後までやり切れる「距離」と「ペース」から始めること!
    ③強度を上げる際は、「距離」と「設定ペース」を同時に上げない!
  • 【ロングランのトレーニング強度の上げ方】
    ①まず「1回の走行距離」を徐々に増やす
    ②ロングランの頻度を上げていく
    ③30km、35kmに慣れたら、最後にペースを上げていく(目安は、勝負レースの1ヶ月半前から)
    ※無理にペースを上げるよりも、自分のこなせる強度設定で、「回数を積み重ねる」こと!
  • ロングランの目標設定は、距離「35km以上」、「レースペースよりも30秒程遅い」ペース。
    「継続できる」強度で、「段階的」に設定を上げ、「計画的」に行うべし!

出典

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