ランナー必見!夏の疲労の原因3選と解決方法
夏のランニングへ向けて
夏は暑くて練習がきつい。そして上手く回復できないからさらにパフォーマンスが下がる。
こういった負のループに陥る事が多々あるのが夏の練習ですよね。
今回は夏の疲労が抜けにくい原因と対策をご紹介していきます。
原因がわかると対処もしやすいですからね。
夏を乗り切るために一緒に学んでいきましょう!
夏の疲労の原因と対策
理由①自律神経の機能低下
1つ目の理由としては、自律神経の機能の低下が考えられます。
自律神経とは内臓の働きや代謝・体温をコントロールする為に皆様の意志とは関係なく24時間働いてくれている神経です。
活動的になる時に優位になる【交感神経】
リラックスするときに優位になる【副交感神経】
この2つが互いに働きあう事でみなさまの体調を管理します。
この自律神経は夏の暑さによりかなりのダメージを受けています。
まず、日中や熱帯夜が続く事が原因で自律神経はリラックスする事ができず、常に興奮状態になります。また、副交感神経を上手く働かせることができなくなります。こうなると自律神経がフル稼働してしまい疲労がどんどんたまっていきます。
そして、もう一つは寒暖差も自律神経に影響を与えております。
8月になると35度越えの気温がばんばん打ち出されます。
ここ数十年で夏の最高気温・最低気温を記録。そして、当然平均気温も上昇しています。
特にここ2.3年の夏の暑さは尋常ではないです。
そして変わったのは暑さだけではなく、空調関係。外は暑いけど中は涼しい。
部屋を一瞬で冷やす冷房機能が付いたクーラーが普及したおかげで、外は暑いけど部屋の中は涼しいという環境が成立するようになりました。
「これは快適だわ!」と思うかもしれませんが、この寒暖差によって、これまた自律神経が上手く働かなくなります。最初にも言いましたが自律神経は体温も調節します。寒暖差が大きくなると自立神経が働いて体温を一定に保とうとコントロールするため、寒暖差が大きい環境にいると常に自律神経がフルパワーに活動しています。
こういった理由から自律神経が過剰活動してしまい、常に倦怠感や疲労が抜けないという状況になってしまいます。
そのため、自律神経を休ませる事や正しく活動させる事が必要です。
解決方法①ぬるま湯で入浴
お湯につかることで、身体はリラックスして疲労回復を促進させます。
熱いお湯だと長時間は入れず、また交感神経を刺激しますので、40度以下のぬるま湯で30分以上浸かるようにしましょう。
解決方法②エアコンの設定温度を下げ過ぎない
これは外との寒暖差をできるだけ抑えるためです。
ただし、以下の行動は熱中症になるリスクが上がりますので注意してください。
①エアコンの設定温度をかたくなに下げない。
②寝る時にクーラーをつけない。
上記のように、必ずしもエアコンの温度を下げない、使わないことが良いとは限りません。
むしろ、そこで大切なのは適切な温度に設定する事です。適切な温度は27-8度だといわれています。
あくまでも目安なので、ご自身の体調に合う設定温度を探すようにしてください。
また、最後に私が個人的にオススメしたいのは夏場の半身浴です。
翌日の疲労の抜け方が全然違いますので、良かったら試してみて下さいね!
理由②内臓疲労
続いて、2つ目の理由としては内臓疲労が考えられます。
夏場に食欲が落ちてごはんがあまり食べられないという経験はありませんか?
実際に、7割以上の人が夏には食欲が落ちるというデータもあります。
こういった原因は内臓に影響が出ているため引き起こされます。
暑さによって、自律神経の機能が低下し、内臓の働きも落ちてしまいます。
水分が多く失われる夏場はとくに飲料水やアイスクリームといった冷たいものを多く摂取してしまう事があると思います。
こういった冷たいものを取り過ぎてしまうことも内臓疲労や内臓の機能の低下を引き起こす原因となります。
冷たいものを過剰摂取する事が内臓の機能低下に繋がるのは、内臓が筋肉の1つだからです。
筋肉には随意筋と不随意筋という種類があり、随意筋は自分の意志で動かせる筋肉。
走ろうと思って足を動かしたり、なにか物を取ろうと思って手を伸ばしたり、自分の意志で動かせるのが随意筋です。
一方、不随意筋とは自分の意志とは関係なく動く筋肉のことです。内臓や心臓、血液の流れがそれに該当します。
自分の意志で心臓を止めたり動かしたりできる人は、もちろんいないと思います。
つまり、内臓も自分の意志で動かせないだけで、立派な筋肉なのです。
内臓も筋肉の一部と考えると、冷えると動きが落ちるのは分かりますよね。
冬場に体が冷えている時は動きにくいのと理論は一緒です。
冷たいものを食べ過ぎると内臓が冷やされ、自律神経の機能も低下。消化機能も落ちてしまって食欲がわかない。
そして食べることができないからエネルギーもなくてパフォーマンスが落ちる…ここに繋がります。
冷たいものは上がった体温を下げるためには効果的ですが、摂取し過ぎないようにしましょう。
おすすめの対策として、いくつか挙げさせていただきます。
・最初の1杯以外は常温水を飲むようにする。
・ぬるま湯で入浴して体温をあげる。
・冷たい食べ物だけではなく、内臓をあたためて体温を上げる鍋や温かいものを食べる。
上記のように、こういったことを心がけましょう。また、起床時に白湯を飲むのも効果的です。
つまり、体を冷やし過ぎないこと。そして、身体の内側から温めることを心がけることが大切です!
理由③練習がハードすぎる
いきなりですが、皆さんは夏の風物詩と聞かれたら、何を思い浮かべますか?
夏の風物詩3選といえば…
・祭り
・海
・そして冬と同じ強度の練習ができない
この3つです。異論は認めません!!(笑)
とくに3つ目の”冬と同じ強度の練習ができない”はおおよそ全ランナーの共通認識です。
これに対するアンサーとしては…「当たり前」です。
なぜ、夏は冬と同じように練習ができないのかと言うと…
・夏は冬に比べて酸素濃度が低い
・夏は体温が上昇しやすく、体温の上昇を抑えるためにエネルギーを使う
・夏は汗が大量に出るので水分やミネラル分が不足しがち
他にも理由はありますが、代表的なものを挙げさせていただきました。
これ等の理由からして、夏の練習環境がいかにハードかわかります。
つまり、冬や春と同じ強度での練習は非常に困難ということですね。
これが理解できない。もしくは、わかっているけど「いやそれでも追いこみたい」と考えるストイックな方もいると思います。夏に追いこみをかけてしまい、結果が振るわず撃沈…。それでは精神的にも肉体的にも疲労が溜まってしまいます。
先ほどもお伝えしましたが、特に近年の夏は気温が高く、春や冬と同じパフォーマンスをだすことは至難の業。
そこで、いくつかアドバイスを挙げさせていただきます。
・練習の強度を見直す
・夏はタイムへの意識をやめて運動時間に焦点を当てる
・日が沈んでから走る
・早朝に走る
夏場の練習は、こういったことを工夫して行いましょう。
個人的には、夏はタイムの意識を減らして、運動時間に焦点を当てます。
暑い中で走ることが暑熱順化。暑さへの耐性に繋がり、この強化が秋以降のフルマラソンにもつながります。
かと言って、タイムを全く意識しないのも良くないので、普段の練習の5-10%くらい設定を落とすようにしてみましょう。
夏はガチガチに追い込むのではなく、「どのようにして秋以降に繋げていくか」を考えながら練習することが大切です。
つまり、夏の練習は継続することがより大切になってきます。
「どうすれば継続できるか?」をいろいろと工夫を凝らしながら、楽しんで練習をするようにしてくださいね!
監修者コメント
高山敦史
いかがだったでしょうか。
最後に、一番大切なことは安全第一に行うこと!
熱中症や脱水症状には気を付けて、常に自分の体調と向き合いながら夏練習に励んでくださいね。
夏を制する者は秋以降のフルマラソンを制する!
こう考えながら、暑い時期の練習を乗り切っていきましょう!
本記事のまとめ
- 夏の疲労感が抜けないのには理由が3つある
- 1つ目は、夏は温度調節をしようと自律神経が過剰に活動してしまい、常に倦怠感や疲労が抜けないという状況に陥ってしまうため、自律神経を休ませる事や正しく活動させる事が必要
- 2つ目は、冷たいものの過剰摂取や体を冷やし過ぎることにより内臓機能が低下するため
体を冷やしすぎないことや身体の内側から温めることを心がけることが大切 - 3つ目は、夏場の過酷な環境下でのハードな練習
夏は追い込むのではなく、内容を工夫しながら練習を継続的に行うことが大切
出典
- 【YouTube】タカヤマラソンチャンネル 【暑さ対策】夏の疲労の原因3選と解決方法 より